宮中祭祀にも熱心に取り組まれている愛子さま /(C)JMPA 画像を見る

「10月17日に愛子さまは『神嘗祭賢所の儀』に臨まれました。神嘗祭は、その年に収穫された穀物を皇室の祖先神とされる天照大御神に捧げる宮中祭祀です。大学ご卒業後、愛子さまは熱心に宮中祭祀に取り組まれており、ほぼ皆勤でいらっしゃいます」

 

そう語るのは皇室担当記者。

 

愛子さまが天皇陛下とともに五穀豊穣を祈念されたこの日、スイス・ジュネーブでは国連の女性差別撤廃委員会で、日本政府の女性差別を是正する取り組みを審査する会合が開催されていた。

 

「会合で議題に上ったのは、選択的夫婦別姓への取り組みや、現在は男系男子のみに皇位継承を認めている皇室典範などです。

 

日本政府の代表団は“女性差別撤廃委員会で皇室のあり方を取り上げることは不適切”と反論しました。しかし、ある委員は『日本の皇室をリスペクトしているが、われわれはスペインなど王室のある国にも同じことを言っており、日本に対しても平等の観点から指摘している』などと語ったそうです」(前出・皇室担当記者)

 

同委員会は29日、最終見解を公表した。

 

「最終見解では、皇位継承における男女平等を保障するため、男系男子のみが皇位を継承することを定める皇室典範を改正するよう日本政府に勧告しました。

 

いっぽう政府は、勧告については削除するよう申し入れていたそうです。林芳正官房長官は30日の記者会見で、『我が国の立場を説明して記述削除を要請したにもかかわらず、皇室典範に関する記述が盛り込まれたことは大変遺憾』と語りました」(前出・皇室担当記者)

 

同委員会は、8年前にも最終見解案に皇室典範の見直しを求める勧告が盛り込んだが、当時の安倍政権が猛抗議し、削除されたという経緯があった。

 

静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんはこう語る。

 

「8年前、私はこの件について共同通信の取材に対し、このように答えています。

 

《皇室典範の改正をめぐっては国内でも意見が分かれている。国連から批判があるのなら、「内政干渉だ」などと感情的に突っぱねて耳をふさぐのでなく、「海外にはそういう意見もあるのか」と誠実に受け止めるべきだ》

 

この8年間で、皇室の存続が将来的に困難であると憂慮している多くの国民が、女性天皇や女系天皇を容認するようになっています。女性天皇や女系天皇が制度で実現すれば、日本における女性への差別的な制度や思想が取り除かれる可能性もあると思います」

 

また神道学者で皇室研究者の高森明勅さんは、

 

「皇位継承は天皇の地位、つまり日本国憲法第一条に関わる問題であり、『主権の存する日本国民の総意に基づく』ものです。そのため、今回のように国際機関が立ち入ってくることは主権侵害にあたります。

 

その一方で、女性天皇や女系天皇が認められていない現状が、国際社会において女性差別と受け止められている事実は、残念ながら否定できません。安定的な皇位継承の問題に、当事者として向き合う責任が日本国民にはあるのです」

 

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