天皇陛下と雅子さまはこの日、第9回アフリカ開発会議に参加した首脳夫妻らを招いた茶会を開かれた(写真:JMPA・2025年8月22日) 画像を見る

「よくご無事で」

 

8月26日から那須での静養に入られた天皇陛下雅子さまは、那須御用邸に到着された直後に、戦時中に硫黄島から疎開し、いまは那須町で暮らす元島民らと面会された。雅子さまは冒頭のように声をかけ、戦中・戦後を通じて凄絶な苦難を乗り越えてきた2人と家族らの話に耳を傾けられていた。

 

「天皇陛下と雅子さまが那須ご静養時に、取材設定のあるご公務に臨まれたのは初めてのことです。戦後80年の節目に行われている、戦争の記憶を語り継ぐ旅を、これからも継続していくという両陛下の強いご意志を感じました。今回のご静養でも、次なる目標に向けて英気を養い、その展望を描かれていらっしゃるのでしょう」(宮内庁関係者)

 

今年両陛下は、7月に国賓としてモンゴルをご訪問。雅子さまもご体調を調整しながら臨み、成功裏に終えられたことが記憶に新しい。そしてすでに政府・宮内庁内では、来年の外国ご訪問に向けた動きが始まっているという。

 

官邸関係者はこう明かす。

 

「招待国の意向もありますが、両陛下の外国ご訪問は閣議決定に基づくもので、時の政権の外交方針と大きくリンクしています。国益、宮内庁の方針など、さまざまな要因を勘案してご訪問国が決められることになっています。じつはいま政府内では、2026年中の両陛下による訪米への期待感が高まっているのです」

 

2019年5月に令和初の国賓として来日したのは、アメリカのトランプ大統領夫妻だ。招かれた国は、答礼としてその後に同じ待遇で国王や元首を招くことが外交儀礼上の慣例となっている。

 

だが、2期目がスタートしたトランプ政権が掲げてきた相互関税政策などの影響は、日米関係に微妙な歪みを生じさせている。

 

「関税交渉は現在も着地せず、それに伴い日本国民の対米感情も悪化しつつあり、さらに安全保障上のリスクも高めかねない状況が続いています。この現状を打破するため、両陛下によるご訪米の実現を期待する声が、政府・外務省の一部から上がっているのです。

 

それに加えてトランプ氏は、皇室や王室という権威にリスペクトを抱いています。また2019年の来日時、初日は緊張した様子だったメラニア夫人は、雅子さまのお人柄やお心遣いに接し、次第に柔和な表情になっていきました。

 

それ以来夫人は、雅子さまに尊敬の念を抱いているそうです。在職中の両陛下のご招待を、トランプ氏個人も前向きに考えているとも聞きます」(前出・官邸関係者)

 

両陛下の訪米が実現すれば、どういった場所に足を運ばれるのか。

 

1994年、上皇ご夫妻が国賓として訪米した際には、17日間かけて全米各地に足を運ばれた。前出の宮内庁関係者はこう続ける。

 

「上皇ご夫妻は首都ワシントンD.C.での歓迎行事のほか、全米計11都市で、大リーグ観戦をはじめとするさまざまな分野に関するご視察、在留邦人や日系移民との交流に臨まれました。

 

両陛下も日程次第で、同様に各都市を巡られるはずです。雅子さまの母校・ハーバード大学のあるボストンや、シーズン中であれば、大谷翔平選手らが活躍するドジャースの試合を観戦される可能性も十分にあるでしょう。

 

上皇ご夫妻はニューヨークで国連本部を訪問し、事務総長夫妻が主催する午餐会に臨まれていますが、両陛下もNYに足を運ばれることになれば、同じように国連本部を訪問されるはずです。来年は日本の国連加盟から70年という節目であり、両陛下の表敬は非常に大きな意味を持つのです」

 

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