「試合前、大谷選手は球場で練習を終えた後、一度ロッカールームに戻ります。打者の日は入ってから出てくるまでの時間が通常30分程度なのですが、登板日は1時間半から2時間弱と長いそうです。
キャッチャーとの打ち合わせをすることもありますが、山本(由伸)投手の場合は30分弱ほど。番記者たちは“今年の大谷は投手に対する気合が違う”と話しています」(在米ジャーナリスト)
5月21日(日本時間)、二刀流で出場したドジャース・大谷翔平選手(31)は、打っては先頭打者ホームラン。投げては5回無失点の躍動で今季4勝目をあげた。
「防御率はさらに改善して0.73に。防御率1点未満は超一流の証しです」(スポーツ紙記者)
試合後の会見でロバーツ監督はこう語って大谷を絶賛していた。
「彼はサイ・ヤング賞を取りたいし、チームを勝たせたい。攻撃でも大きく貢献したい。その全部を今やっている!」
『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2026』編著者でスポーツライターの友成那智さんは言う。
「サイ・ヤング賞はメジャーリーグの投手最高の栄誉とされています。日本のプロ野球で名ピッチャーに贈られる沢村賞の場合、“先発完投型の投手”が基準とされますが、サイ・ヤング賞は“シーズン最高の投手”で、先発もクローザーも対象です。年間MVPと同じく全米野球記者協会に所属する記者の投票で決まります」
■“目標達成”に1勝足りない15勝が最高
今季の大谷は、年間MVPよりもサイ・ヤング賞を特に強く意識しているという。
「今春に公開されたモバイルゲーム『プロ野球スピリッツA』の新CM撮影中のインタビューでも大谷選手は次に達成したい目標を問われ『サイ・ヤング賞に関しては日本人が誰も獲得したことがないので、個人的にも、ほかの日本人も含めていちばん目標になりやすいところではあると思います』と語っていました」(前出・友成さん)
そこまで大谷が同賞にこだわっている理由とは――。前出の在米ジャーナリストは続ける。
「番記者の間では大谷選手が花巻東高校時代に作成した“人生設計シート”が再注目されています。目標を立て着実に達成していく大谷選手は、そのシートに《メジャー昇格》や《WBC日本代表》《ワールドシリーズ優勝》《WBC日本代表MVP》など常人では叶えられない項目を書き入れ次々に成し遂げました。私生活でも《結婚》や《女の子誕生》をほぼ計画どおりに実現させています。
しかし、投手としての目標だけはなかなか実現できないでいるのです。それゆえ大谷選手は“今年こそサイ・ヤング賞を”という思いが強いのではないでしょうか」
確かに大谷の人生設計シートには投手についてこんな項目が綴られている。《21歳 ローテーション入り16勝》《22歳 サイ・ヤング賞獲得》《24歳 ノーヒットノーラン 25勝達成》《25歳 世界最速球速175キロ》《29歳 2度目のノーヒットノーラン》《30歳 日本人最多勝》――。前出の友成さんは言う。
「もともと大谷選手は打者より投手への思い入れが強い選手です。大谷選手はよく“バッターのときは緊張しないけど、ピッチャーのときは緊張する”として、特に昨シーズンは二刀流の復帰登板が近づくと“投手の日はすごく緊張する。その緊張感が恋しい”と言っていたのが印象に残っています。
彼の投手へのこだわりは人生設計シートを見てもわかります。ところが、意外にも大谷選手は投手の目標についてはまだ達成できていないんですね」
かつて大谷はサイ・ヤング賞の投票で1度ランクインしている。
「エンゼルス時代の’22年は規定投球回数に到達も“目標達成”に1勝足りない15勝。記者投票で4位に入りました。実は日本ハム時代を含め彼のプロ生活14年目で、規定投球回数に到達した年は日本ハム時代の’14年と’15年、そしてこの’22年の計3回しかありません。サイ・ヤング賞は規定投球回数が絶対条件ではありませんが、到達すれば有利。ですから今季の大谷投手は“少しでも長く投げたい”が本心なのです」(前出・友成さん)
今春、大谷は25打席連続ノーヒットという打者として最大のスランプに陥った。
「大谷選手は球団と話し合い3登板連続で投手に専念するなど、今季は二刀流にこだわらない姿勢を示しています。打者としての不振が投球に影響するのだけは避けたい思惑があったのでしょう」(前出・在米ジャーナリスト)
前出の友成さんもこう語る。
「かつて大谷選手はインタビューで『投手としては2度目の手術なので、もう一度同じ症状になったら配置転換。ほかの野手、どこのポジションになるかわからないが……』と断言。さらに選手として今がピークだと常々語っています。7月で32歳になる大谷選手にとって今季は、年齢的にもサイ・ヤング賞を目指す最後のチャンスという自覚があるのでは……」
まさに“背水の陣”を敷き、マウンドに向かう大谷。「登板日は緊張する」彼は、冒頭の試合前の1~2時間、ロッカールームでどんな行動をしているのだろうか。
「昨季はデコピンを連れて頻繁にドジャー・スタジアムで観戦していた真美子さんは、今季ほとんど球場で姿を見かけません。また大谷選手も運転手付きの高級車で球場入りしていると聞いています。そのため登板日は、高まる緊張をほぐすため真美子さんとビデオ通話をしているのではないでしょうか。娘さんが加われば、さらに笑顔がはじけるでしょうから……」(前出・在米ジャーナリスト)
大谷の人生設計シートには投手として今後は《36歳 奪三振数記録達成》《40歳 引退試合ノーヒットノーラン》と綴られている。大谷なら“崩れた人生設計”を立て直し、世界中の野球ファンも見たい夢を叶えてくれるはずだ。
画像ページ >【写真あり】花巻東高校時代の初々しい大谷翔平(他8枚)
