「デビューから取材を始めて26年。現場で会えば、いつも必ず向こうから声をかけてくれる。私たち取材者への気遣いも変わらず、距離感はずっと同じでした。こんなに変わらない人たちはいない。本当のスターだと思います」
そう語るのは、芸能リポーターの駒井千佳子さん(60)。嵐は’99年9月15日、ハワイのクルーズ船上でデビュー記者会見を行い、駒井さんが初めて取材したのはデビューシングル『A・RA・SHI』発売日の同年11月3日。代々木第一体育館での握手会だった。
■デビュー初期の会見時の“異変”
「華々しくデビューしましたが、2?3枚目のシングルイベントには取材陣がほとんど集まらず、テレビ局も小さなデジカメで撮影するほどでした。それでも彼らは笑顔で悔しさも表に出さなかった。2枚目の『SUNRISE日本』のとき、櫻井くんが“今回のラップいいでしょ!”と満足そうに話していたのが印象的でした」
■ハワイで緊急記者会見
’99年から’00年の年越しには、番組企画でオーストラリアとハワイを移動し、時差を利用して新年を2度迎えた。
「私はハワイでお正月の空港取材をしていたんですが、そこに突然、嵐がやってきてて。急きょワイキキのホテルで記者会見をすることになりました。事前情報がなかったので何事かと思ったら“2度ミレニアムの年明けを迎えた”という会見でした(笑)」
■『ザ・ワイド』に生出演したメンバーが前室で……
’05年にはレギュラー番組『Dの嵐!』の番宣で当時、駒井さんがリポーターを務めていた『ザ・ワイド』に櫻井と二宮が出演した。
「本来ならタレント専用の控室があるのに、2人は私たちスタッフと同じ前室にいたんです。そこでスポーツ紙を広げていた二宮くんが、デビュー前のKAT-TUNの記事を見て“すげぇよな~KAT-TUN”と一言。うらやましさではなく、純粋に感心していて、櫻井くんも“本当すごいよね~”と応じていました。後輩の話題も自然体で受け止める姿に、彼ららしさを感じました」
■アジアツアーのプライベートジェットで席替え
’06年には初のアジアツアーが開催され、ツアー前にはプライベートジェットでタイ、台湾、韓国を1日で巡るプロモーションも。
「人数制限があり、マネージャーも乗れず、機内はメンバーとCAさん、一部スタッフ、そして私たちだけ。向かい合った2席が3セットに分かれていて、嵐のメンバーの座席組み合わせはコロコロ入れ替わるのに、空気感はみんな同じ。静かに会話して、ときおり笑い声が聞こえてきました」
■移動飛行機内の異音の正体&パスポート手渡し
機内でも、嵐らしい素顔が。
「洗面所のほうから“バリバリッ”と大きな音がして。大阪でのライブ直後のツアーだったこともあり、飛行機に故障が起きたのかとびっくりして“今の音は何!?”と口に出してしまったんです。そしたら櫻井くんが“松潤の髭剃りだよ”“大阪から剃ってないから”と(笑)。
また、イミグレーションのためのパスポート集めも“はい、集めまーす!”って二宮くんと相葉くんがやっていて。飛行機に乗るときも一人ずつ名前を呼んで手渡してくれる。本当にタレントっぽくないんです」
■「10周年ルール」を変えた!
デビュー以来、ライブツアーでは囲み取材が行われたが、10周年の’09年は初めて実施されなかった。
「取材には行っていましたが、裏で松本くんが“なんで囲み(取材)がないの?”と聞いてきたんです。実は当時は“10年を超えたグループはやらない”という暗黙のルールがあって。それを伝えると“俺は聞いてないよ”と。翌年から囲みが復活したので、おそらく松本くんが事務所に言ってくれたんだと思います。それ以来、毎年囲みがあるのは嵐だけでした」
■司会を担当した『NHK紅白』での驚異のリハーサル時間
’09年には『NHK紅白歌合戦』に初出場。その後は司会や大トリも務めるなど国民的グループとして紅白の歴史に名を刻んでいった。
「よく覚えているのは、彼らが司会を担当した年のリハーサルです。全体リハが終わった22時過ぎから、今度はグループのリハが始まる。松本くんが客席から立ち位置や照明、音の聞こえ方まで細かく指示し、スタッフと丁寧に話し合いながら1時間ほどかけて作り上げていました。その間、ほかのメンバーはステージ上で松本くんの指示を待ちながらプライベートジェットで見たときと同じようにコソコソ話してクスクス笑っていて。
リハと取材は23時半まで続き、彼らは朝から15時間ほどNHKホールにいたと思います。長年紅白を取材していますが、アーティストとしては最長クラスだったんじゃないでしょうか」
■デビュー15周年、ハワイでの豪雨ハプニング
そして’14年のデビュー15周年ハワイ公演。デビュー時と同じクルーズ船前の記者会見での5人の行動に取材陣は感心させられた。
「嵐の取材って、なぜか雨が多くて。この日もメンバーが控室から出てきた途端に雨が降り出し、そのまま会見が続きました。終わるころには本降りで、記者さんたちが足元に置いていたボイスレコーダーもぬれてしまう状況だったんですが、5人は会見中からずっと気にしていたようで。終わった瞬間にそろって“ぬれちゃう!”と、真っ先にしゃがんで全部回収してくれたんです。そういうところが本当に嵐らしい」
■ツアーのケータリングには地元食材を
さりげない気遣いと、常に周囲へ目を配る姿勢。それは、長年の取材を通して駒井さんが感じてきた彼らの本質でもある。
「前に松本くんが言っていたのは演出面でメンバーに強く言うこともあるけれど、それを聞いたほかのメンバーが“そんな言い方したらかわいそうじゃん”と止めに入る。“だからケンカにならない”と。本当に仲がいいんです。本人たちはそれが当たり前で、仲がいいという自覚もあまりないみたいですが、記念日や誕生日にツアー中だと誰かの部屋に集まって乾杯するし、海外に行けば一人ひとりにお土産を買って帰るのも恒例でした。
嵐は各地に“みんなで行く店”があって、ライブのケータリングにも必ずその土地の食材を取り入れている。嵐は家族に近い存在なんだと思います」
■嵐へのラストメッセージ
最後に嵐への思いを問われると駒井さんは言葉を詰まらせながら涙を浮かべてこう語った。
「嵐は“ファンの皆さんのおかげでいろいろな景色が見えた”と言うけれど、私たちも嵐にたくさんの景色を見せてもらい、思い出すたびに心が温かくなります。26年間、アイドルでいてくれて本当にありがとうございました」
画像ページ >【写真あり】芸能リポーターの駒井千佳子さん(他14枚)
