「私はこれまで答弁してきました。それは揺るぎません。他の候補者を誹謗したり中傷したりすることは、私の流儀ではありませんし、決してやっておりません」
6月8日午後、記者団の質問にこう断言した高市早苗首相(65)。この前日、高市氏の陣営が総裁選の対立候補や野党を“中傷”する目的で動画をSNSで拡散させていたとされる疑惑をめぐって、陣営から動画の作成依頼を請け負ったとされる男性が内幕を明かしたインタビューが「共同通信」で報じられていたのだ。
「疑惑の発端は4月30日発売の週刊文春。高市首相の公設第一秘書・木下剛志氏が、昨年の総裁選や今年の衆院選で、対立候補だった林芳正総務相(65)や小泉進次郎防衛相(45)、その他野党の候補者を中傷する目的で、民間企業の代表を務める松井健氏(33)に動画作成を依頼、SNSで動画を拡散させていたとされています。
この疑惑は国会でも問題視され、先の衆院選で大敗した中道改革連合や立憲民主党の議員が中心となって疑惑を追及したものの、高市氏は『(松井氏は)私自身も秘書も面識がない方』などと一貫して関与を否定。いっぽう、松井氏は共同通信のインタビューで、高市陣営を含む与野党から動画作成の依頼を受けたと話したほか、共同通信は、松井氏と木下氏のメッセージのやり取りを入手したところ、電話番号が木下氏のものだったと報道。これにより、木下氏と松井氏に“接点がなかった”とする高市首相の答弁が揺らいでいます」(政治部記者)
自民党の鈴木俊一幹事長(73)は、8日の会見で「高市総理は真摯に答弁している」としたうえで、野党が求める木下氏の参考人招致には応じない意向を示したが、国会では今後も疑惑をめぐる追及が過熱することは必至だ。そんななか、国会の“外”から追及を強める人物がいる。
それは、当選11回のベテランながら、先の衆院選で落選していた中道改革連合の枝野幸男前衆院議員(62)だ。
枝野氏は8日、自身のYouTubeチャンネルに公開した動画で、疑惑をめぐる共同通信の報道によって「事態はさらに大きく進展すると思われます」と切り出し、「改めて、この問題のどこがポイントなのか。私は、総理大臣が国会で意図的に堂々と嘘をついてきた、この疑惑が深まったという、この1点こそが何よりも重要だと思っています」と述べた。
その上で、「人間ですから、国会での答弁といえども記憶違いや勘違いがあり、正確ではない場合もあります。私も閣僚を経験していますので、過去にはそういったことがあったかもしれません」と自身の経歴も振り返りつつ、「しかし、意図的に嘘をついたり、あるいは意図的に事実を調べずにいい加減な答えをしたりというのは、意味が違います」と指摘。
枝野氏は、共同通信やこれまでの週刊文春の報道、国会での高市の答弁を踏まえると、「もう十分、どうも意図的に違うことを言っていたのではないかという、かなり強い嫌疑があるということは間違いないという状況」とも断言。さらに、“挙証責任”は高市氏側に転換されており、「これは黒と認定されても仕方ない。材料は現時点で揃っていると言わざるを得ない」と迫ると、以下のように厳しく批判した。
「どんな政策を打ち出して実行しようとしても、その国会での説明や答弁が信用できない状況では、その政権は続けさせるわけにはいかないと私は思います。高市総理は、自分が潔白だと、嘘をついていないと証明するか、そうでなければ一刻も早くお辞めいただきたいし、現職の皆さまにはその2択を強く迫ってもらいたいと思っています」
場合によっては、退陣を要求すべきだという枝野氏。かつて官房長官を務めあげたほどのベテランによるアドバイスだが、Xでは、動画のURLを添えていた枝野氏の投稿に対して、以下のような批判がした。
《それをやるのは追及する側な!!決定的な証拠があるなら出しゃあいいだけのこと すぐ決着するんだろ》
《ついに「悪魔の証明」を求め始めたね。嘘でない証明ということは「ない」ことを証明として提示する事はできない。「ある」と主張する側がその証拠を提示した上でしか追及は元来成り立たない》
《疑うなら疑う側がそれなりの信憑性のある証拠を突きつけないと話にならないですよ》
いっぽう、枝野氏はこうした声にも真っ向から反論する。9日に更新したXでは、《まぁ予想の範囲内ではあるのですが…動画を見ないで上げ足をとっているのか?見ても理解できないのか?》と呆れ果てた様子で、以下のように動画の要点を整理。
《刑事責任の話でなく、総理としてふさわしいか否かを問うています》
《いわゆる中傷動画に関与したかについては触れていません。それ以前の、面識の有無などについて嘘をついている可能性が高いと問うています》
《週刊文春や共同通信、週刊現代などと、国会での質疑を通じて、嘘をついている可能性が高いことを前提に「違うならちゃんと説得力ある説明をしろ」と言っています》
そして、先述した批判にあった「悪魔の証明」という指摘についても、《白紙の状態で不存在を立証しろという悪魔の証明とは違います》と切り捨てた。
画像ページ >【ランキングあり】中道の新リーダーになってほしい議員ランキング 1〜10位(他1枚)
