殺人、不同意わいせつ致死、監禁の罪に問われている内田梨瑚被告(本人のTikTokより) 画像を見る

「裁判官、裁判員のみなさま、どうかどうか、私の娘が望む判決を下してください」

 

北海道旭川市の無職、内田梨瑚被告(23)が、「舎弟」と呼んでいた共犯の小西優花受刑者(殺人罪などで懲役23年確定)とともに女子高校生を監禁し、市内の神居大橋の上で服を脱がせたうえ、落下させて殺害したとして、殺人、不同意わいせつ致死、監禁の罪に問われている事件。6月8日に旭川地裁で開かれた公判では、被害者の遺族が意見陳述をおこなった。

 

「被害者の父親は、内田被告を指さし、大声で泣き叫びながら冒頭のように訴えたのです。被害者の母親も、代理人を通じて『より重い厳罰が下りますことを親族一同、願っています』と極刑を訴えました。事件の残虐性や遺族の感情からすれば当然ですが、検察側の求刑は懲役27年というものでした。これについて、SNSでは『死刑じゃないの?』といった、検察への不信や怒りの声が出ています」(事件担当記者)

 

元東京地検特捜部副部長で弁護士の若狭勝氏も、「懲役27年」という求刑に疑問を投げかける。

 

「一般感覚からいってもそうでしょうが、私もあまりに軽きに失した求刑だと思います。事件の残虐性を鑑みても、無期、少なくとも懲役30年が求刑されるべきでした。求刑が軽くなった理由として、おそらく検察は事実認定がきちんとできなかったのではないか。小西受刑者は、内田被告の裁判の証人として『(内田被告が)肩甲骨のあたりを押した』と証言していますが、検察は以前、小西裁判の際に、小西のこのような供述は自らの刑を軽くする目的で内田を悪く言っていると主張していました。結局検察としては手のひらを返すように、今度は小西受刑者が正しいとは言い切れなかったのです。

 

橋の上から背中を押して殺害したのは、内田被告か小西受刑者か、あるいは両方なのか。その事実認定について、検察はさじを投げた格好です。本来、もっと厳しい取り調べをすれば、事実認定が深まったと思いますが、最近は厳しい取り調べをすると、たたかれる。そのために、取り調べをする力が弱くなっている気がします」

 

もう一点、若狭氏が問題視するのは、不同意わいせつ致死罪について、検察が論告求刑で「本件のわいせつ行為は、性のはけ口ではなく、被害者への制裁のためという違いを考慮」したと説明していることだ。これも求刑が軽くなった理由となっている可能性があるという。

 

「性欲目的ではなく、制裁が目的だから不同意わいせつ罪で重く処罰できないというのは、検察の大きな間違いだと思いますね。たしかに、昔の強姦罪や強制わいせつ罪は、性欲を満たす犯罪と位置づけられていましたが、いまの不同意わいせつ罪は、動機がどうであろうが、被害者の性的自由を侵す行為は罰する、というたてつけになっています。制裁目的だからというのは、当然ながら減刑する理由にはなりませんが、検察はそれを理由に無期懲役はあり得ないと主張しています。これは、いまの法の精神をわかっていない認識不足としか言いようがありません」

 

無期懲役か懲役30年。これが、若狭氏の考える量刑だが、さすがに死刑はあり得ないのか。

 

「死刑はちょっと難しいですね。最高裁が1983年に示した『永山基準』により、殺害したのが1人では、死刑は難しいとされています。焼き殺す、撲殺するなど犯行手段が際立って悪質性があるときには、被害者が1人でも死刑になる場合もあります。しかし、今回のように背中を押しただけだと、死刑に処するのは難しいでしょう。遺族側の感情を考慮すれば、求刑を無期にすることは可能だと思います。

 

問題は、今回の検察の求刑が、裁判員裁判の判断を“縛る”可能性があるということです。検察が『懲役27年』を求刑すれば、裁判員は無期や30年を主張しづらくなるわけです。検察が懲役30年や無期を求刑していれば、裁判員も自由な討議ができるはずが、検察が逆に縛りをかけてしまうのは、一般市民の感覚を大事にするという、裁判員裁判の主旨にも反します。裁判員の方は勇気をもって、“市民感情”を主張してほしいですね」

 

判決は6月22日に言い渡される。

 

画像ページ >【写真あり】「死ねや」「落ちろ」事件現場となった恐怖の吊り橋(他1枚)

出典元:

WEB女性自身

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