日本の警察において、まさに前代未聞の失態ともいうべき大事件が起きた。
6月19日、埼玉県警交通指導課と加須(かぞ)警察署は、加須市岡古井の国道125号線沿い歩道上で、18日午後10時50分ごろから午後11時24分ごろまでに実施した速度違反の取り締まり中、設置していた移動可能な「速度違反自動取り締まり装置(可搬式オービス)」が1台、盗まれたと発表した。県警が保有する貴重な5台のうちの1台で、可搬式オービスが盗難被害に遭うのは全国初とみられている。
車両ナンバーや運転手の顔が撮影できる可搬式オービスは、違反者を後日、呼び出すシステムであるため、従来の「定置式取り締まり」のような違反車両を停止させるスペースを必要としない。また、計測や違反切符を切る人員を削減できるほか、警察官が交通事故に巻き込まれるリスクを軽減できる。こうした利便性と安全性の高さから、2016年から順次、全国の警察で導入されている。
「事件発生当時、加須署の交通課員2名が、オービスの設置場所から100~200m離れた場所に停めたパトカー内で監視をしていたそうです。つねにオービスを目視していたかについての発表はありませんが、設置から30分後にオービスを確認すると、本体だけがなくなっていたということです。
オービスは高さ約50cm、幅が約25cm、奥行きが約50cmで、重さは約20kgだそうですから、ひとりでも持ち去りは可能です。しかし、盗んだ目的は謎です。ちなみに県警は、購入金額について1台900万円と発表しています」(社会部記者)
なぜ警察は持ち去りに気がつかなかったのか、取り締まりがおこなわれた約30分間で何回、オービスを確認したのか、損害はどのように補償されるのか……これらの点については明らかにされていなかったため、本誌は埼玉県警本部の広報課に取材したところ、担当者は恐縮しながら「記者発表したペーパー以外の内容は、お答えできないんです。ただ、窃盗事件として鋭意、捜査しております」とだけ答えた。
「持ち去られたオービスには、およそ10件の車両データが記録されているとみられます。現時点ではそれが悪用されたという情報は入っていませんが、県警としては一刻も早く犯人を逮捕して、オービスを取り戻さなければなりません。
警察官が取り締まり現場で重要備品を盗難され、しかもそのことにしばらく気がつかなかったという事態に、県民からは抗議の電話が寄せられていると聞いています」(前出・社会部記者)
県警が取材に多くを語らなかったのも、焦燥の裏返しかもしれない。
画像ページ >【写真あり】大観覧車「フジスカイビュー」がある東名高速道路富士川SA(他1枚)
