「小渕優子元選対委員長(52)の税調インナー辞任問題は、党内で衝撃が走りました。この辞任問題は、強権的に物事を進める高市早苗首相(65)に対する党内での不満が鬱積しているということの象徴です」
ある自民党関係者はこう話す。
6月25日、自民党税制調査会の小野寺五典会長は、自民党税制調査会のインナー(非公式幹部会合メンバー)の1人である小渕氏が同会副会長を辞任する意向であることを記者団に明かした。
政治部記者が言う。
「小渕氏は党の財政健全化推進本部の本部長代理や財政基本問題小委員長などを歴任し、財政規律を重視するいわゆる“財政再建派”を代表する議員です。高市首相の肝いりで発足した超党派による《国民会議・実務者会議》では6月17日の会合で議長を務める小野寺氏が2027年4月1日から2年間、飲食料品に係る消費税率を1%にし、その残り1%を給付することで、飲食料品の消費税を実質ゼロにする案を示しました。
しかし、小渕氏は『先代の方々の思いを考えないといけない』と議長案に反対しています。国民の反発を受けながらも、1989年4月から初の消費税3%を導入した竹下登元首相や竹下内閣の官房長官として消費税導入に奔走した父・小渕恵三元首相、1997年4月から消費税率を5%に引き上げた橋本龍太郎元首相などを思ってことだったのでしょう。政府が強引に進めようとする食料品消費税率実質ゼロに反対するという意思を示したのだと思われます」
ちなみに小渕氏は“高市応援団”と言われる「国力研究会」には入会しておらず、高市氏とは一定の距離を置いているとみられている。
小渕氏が辞任を申し出る理由は、自身の財政に対する思いの他にも、理由がありそうだ。政治部デスクが言う。
「そもそもこれまで、自民党の税調は首相でも関与できない『聖域』と呼ばれていましたが、高市首相は就任後、税調会長を宮澤洋一参院議員から実務経験のない小野寺氏に挿げ替えるなど、露骨な介入をやってきました。食品消費税を2年間1パーセントに減税するという案についても、党内で十分議論した形跡はなく、ふつふつと不満が溜まっています。党内での議論が尽くされないにもかかわらず、強引にことを進めようとする高市首相に対する反発が党内にくすぶっているのです。ですから、今回の小渕氏の辞任については、賛同を示す議員も少なくないようです」
6月25日の党税制調査会などの合同会議で、小野寺税調会長は国民会議で示した飲食料品の消費税「実質ゼロ」案について説明。しかし、党内からは支持する意見とともに反対意見も出た。
「2月の衆院選で高市氏が公約した食料品の消費税率0%の公約を守るべきと支持する意見が出た一方で、社会保障の財源を減らすべきではないといった反対の声もあがりました。
大岡敏孝元環境副大臣からは『減税をした方が国民に受けるとか、そんな理由だけで、上げたり下げたりしてしまうと、本当に社会に混乱をきたすことになると思います。私は反対しています』と批判も飛び出し、食料品の消費税率ゼロをめぐっては、政権与党である自民党内も混乱している状況です」(前出の政治部記者)
小渕氏の税調インナー辞任騒動は、高市政権にとっては“致命傷”となりかねない状況が生まれている。
画像ページ >【写真あり】自民党税制調査会のインナーを辞任する意向を明かした翌日、小野寺五典会長と歓談する小渕優子氏(他1枚)
