熊本県在中の防災クリエーター“しほママ”こと柳原志保さん(写真:本人提供) 画像を見る

最大震度7を観測した熊本地震では、まだ3050人(18日、午前8時時点)もの人が避難生活を余儀なくされている。被災地でボランティア活動を行っているのは熊本県和水町在住の防災クリエイターの“しほママ”こと柳原志保さん(53)だ。

 

「大地震から3週間が経ちましたが、まだ断水が続いている地域もあって酷暑の中、避難所での生活が続いている人もいます。困りごとは何か聞き取りをしながら支援物資を届けるお手伝いをしています」

 

地震が発生したとき、柳原さんは防災をテーマにした講演会が終わった直後で熊本市内にいた。

 

「ちょうど地震が起きた日は熊本城ホールで『熊本地震10年』をテーマに基調講演をさせていただいた後でした。

 

控室に戻って片付けをしていたとき、突然、スマホの緊急地震速報が鳴ったと思ったら大きな横揺れが起こりました。テーブルの上のペットボトルなどは床に落ちたほど。幸い控室には家具類がなかったので倒壊した家具の下敷きになるといった被害はありませんでしたが、私がいた熊本市中央区は震度5強。講演会後のレセプションや翌日の分科会は中止。交通機関も止まり、私も帰宅困難者となってしまったのです」

 

柳原さんは2011年3月11日に発生した東日本大震災でも被災し、母と2人の息子とともに宮城県内の避難所に2週間程度身を寄せた。

 

避難所に物資が届いたのは震災の翌日だったが、食料品が中心で生活必需品はかなり後になってから配られた。防災士の資格を取得し、被災した経験をもとに「もしものときの備え」について各地で講演を行っている。

 

そして熊本県に移住してから、2016年4月14日に発生した熊本地震、2020年7月の熊本豪雨も経験。今回の地震で“4度目”の大災害を経験したとき、普段から持ち歩いている「防災ポーチ」が役に立ったという。

 

「いつも持ち歩いているのはリュックなのですが、今回はマイカーではなく公共交通機関を利用したので、バッグに防災ポーチを持参しました。

 

バッグにはミニライトと遭難したときに救助を呼ぶための笛をつけました。

 

ポーチの中には、ペンやはさみなどの文具のほかに、手鏡やメイク落とし、塩分タブレット、携帯トイレ1個、ウエットティッシュ、レジ袋、ポリ袋が1枚ずつ入っています。

 

また、特に大事なのはスマホの乾電池式充電器、夏のいちばん暑さが厳しい時期なので小型扇風機も役立ちました」

 

レジ袋はコンクリートの地面に座るときに敷物の代わりになり、黒色のポリ袋を使えば携帯トイレや目隠しとして使える。また、汗のニオイが気になる場合は、ウエットティッシュだけでなく冷感タイプの汗拭きシートも役立つ。

 

熊本市内は停電していなかったこともあり、真っ先に駆け込んだのは近くのコンビニ。そこで“命綱”とも言える水と食料を確保した。

 

「営業をしているコンビニがあったら水分と、少なくとも1食分の食料だけは確保したほうがいいでしょう」

 

帰宅困難者のために開放された熊本城ホールにしばらく滞在。夜に知人の車で帰宅した。後日、ボランティアで八代市などの避難所を訪ねると女性からは、避難生活で必要となる衛生用品についての声が寄せられたという。

 

「避難所をまわったときに中高年の女性たちに話を聞きましたら、生理用品の配布はあっても、尿漏れパッドやパンティーライナーはないので困っているという声を聞きました。自宅から避難所に行くときには忘れないで持参すると安心できます」

 

酷暑に見舞われる現場の声は今後「備え」のヒントになる。特に断水したときの水の確保と、ライフラインとなるマイカー対策だ。

 

「自宅が停電して車中泊の人が増える一方、ガソリンスタンドの前は大行列で、何時間も並び、1台20リットルの給油制限がありました。朝イチで並んで順番が来るまでに半日ぐらい待ったといった声も聞きました。対策としては、ガソリンは半分ぐらいになったら満タンを習慣にしておくこと。少し遠くのガソリンスタンドに行って給油することもできます」

 

自宅に戻ることができても断水が長期化して水道の水が使えないといったトラブルも想定しておきたい。

 

「身体や洗濯物を洗うことができないとストレスや衛生面の悪化が問題になります。洗濯物を少量の水でも洗える洗剤、水がいらないシャンプーシートが便利です。シャワーを浴びることができないときは、ペットボトルのキャップに穴をあけると簡易シャワーになります。体を拭くシートを用意しておくと便利ですよ」

 

飲料水を確保するとき、力の弱い高齢者や女性でも重い水を運ぶ方法がある。

 

「給水車が来ても水を入れたポリタンクは重すぎて運ぶことができない、という高齢者や女性もいました。そういうときは、ポリ袋を二重にしてリュックの内側に敷き、その中に水を入れて背負う方法もあります」

 

水や電気が使える場所などの情報を、声を掛け合って共有するなど、孤立しないようにすることも心がけたい。

 

「八代市で自宅や仕事場がほぼ全壊になった高齢男性のお話を聞きました。『被災した地域では、人は誰かと話をしないと、前向きになれない』『一人では生きていけない』という言葉が心に残りました。物資が届き、お店も開き始めていても日常には戻っていないので、被災地域は疲労が蓄積しています」

 

災害が頻発する日本だからこそ、普段からの心構えと準備が必要になってくる。

 

画像ページ >【写真あり】持ち歩いているバッグ。ミニライトや笛をつけている(他3枚)

出典元:

WEB女性自身

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