9月17日におこなわれる内閣改造人事で、林芳正総務相(65)の動向が注目されるなか、9月12日に「産経新聞」は、高市早苗首相から意向を確認された林氏が、留任したい考えを伝えたことがわかったなどと報じた。この一部報道を受けて、改造人事について13日に、訪問先の岡山県で記者団から質問を受けた林氏は「首相の専権事項であり、私のほうから何か申し上げることは控えたい」と述べるにとどめたが、留任報道を否定することはなかった。
政治部デスクが言う。
「高市首相は、2025年の自民党総裁選で競った小泉進次郎防衛相、茂木敏充外相、小林鷹之政調会長ら“ポスト高市候補”と差が生じないよう、林氏にも続投要請を出し、断られるかと思ったところ、受け入れたそうです。これで前回の総裁選に立候補して、高市氏に負けた4人とも留任することになりそうです。2027年秋の総裁選に備えるため『次は閣内に入りたくない』と周辺にこぼしていた林氏ですが、いまは閣内に残るほうが賢明だと判断したのでしょう」
9月13日の沖縄県知事選では、自民党などが推薦した新人で元那覇市副市長の古謝(こじゃ)玄太氏(42)が、3選を目指した現職の玉城デニー氏ら5候補を破り、初当選。保守系として12年ぶりの県政奪還に成功した。投票終了時刻の午後8時には、報道各社が古謝氏の当確を速報する、いわゆる“ゼロ打ち”をするなど、古謝氏は玉城氏に約15万票の大差をつける圧勝だった。
自民党関係者が言う。
「県知事選は、今後の高市氏の政権運営に追い風となる選挙結果でした。9月11日の時点で、党内では“ゼロ打ち”を確信する声が多く出ていましたから、林さんが留任を決める判断材料のひとつにしたのかもしれません。高市政権の勢いが増した状況を見て、時の流れに乗り、いまケンカすることはないだろう、と判断したのだと思います。閣外に出て、次の総裁選で勝負する手もありますが、高市内閣がいまの勢いのままなら、総裁選で高市氏に勝つ見込みはないわけですから、負けるとわかったうえでケンカすることは賢明ではない。ただし、2027年の統一地方選の結果や、高市氏の体調次第では、チャンスがめぐってくる可能性もある。ですから、徳川家康ではないけれども『鳴くまで待とうホトトギス』の、じっと待つ戦略にしたのだと思います」
林総務相の留任の判断について、所属していた旧宏池会関係者はこう言う。
「『首相からの打診には応じるべき』という声も旧宏池会内からはあがっていましたが、今回の判断にガッカリしているという声も出ています。『次の総裁選の対抗馬になるために、留任の要請を断るという政治判断ができない』とか『ここで閣外に出ないのは、勝負できない人。政治的センスがない』といった声まで出ています。ただ、林さん自身がそう判断したのなら、どうにもならない話ですが……」
最大のライバルになると目されていた林総務相の留任で、高市首相は総裁選での再選に向けて、一歩前進したといえるのかもしれない。
画像ページ >【写真あり】9月15日、沖縄県知事選で初当選後、自民党役員会に出席した古謝玄太氏(他5枚)
