「将来の夢は? と質問されたら山のようにあると思います。
いまから10分間、好きなこと、やりたいことを、ワークシートに書けるだけ書いてください!」
7月の土曜の昼下がり、東京・お台場にある日本科学未来館で、「自分の夢で未来を創る」と題したワークショップが開かれた。
日立財団主催「理工系女子応援プロジェクト」の一環で、参加者は中学生と保護者で50人近い。
「何を書いてもOKです。行ってみたい場所、会ってみたい人。さあ、いくつ書けるでしょうか?」
芯の通った明るい声を張り上げているのは手塚麻里さん(41)。
「こどもCandy」代表取締役社長で、3児の母でもある。
お台場でのワークショップは、日立財団の依頼で、理工系を視野に入れる生徒のために企画されたこども万博の「特別編」だった。
「夢」を書き出している生徒たちの手が、止まらなくなっている。
「あっ、10分計るの忘れてました。あと3分、オマケ!」
ハハッと豪快に手塚さんが笑う。
「さあ、何コ書けましたか? 10コ、20コ……えっ、50コ書けた子がいるの? すごい!」
室内が拍手に包まれると、手塚さんはこう付け加えた。
「みんなも自分自身に拍手を!」
こんなふうに同じ空間を共有できる「こども万博」を、いったいいつ、どうやって着想したのだろう?
「どんな夢も言うのは自由ですが、実際、言い出せない子が多くいることを知りました。
言いやすい環境さえ作ってあげれば、子どもの可能性はどこまでも広がるはずだと思ったんです」
そして一息ついて、告白した。
「じつは私、高校生のころ、家出少女でした。“ホームレス高校生”だったんです」
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