2026年2月の衆院選から半年余り、野党第1党だった「中道改革連合」(以下、中道)が事実上の分裂を遂げた。
立憲民主党(以下、立憲)出身者の多くが新党「民主改革の会」へ合流するなか、元立憲代表の泉健太衆議院議員(52)はその輪に加わらず、無所属で活動する道を選んだ。
そして9月28日、旧民主党時代からの盟友で同じく無所属の緒方林太郎衆議院議員(53)と、わずか2人の極小新会派「志士の会」を立ち上げた。
激変する政治状況の真っ只中で、なぜ泉氏は慣れ親しんだ仲間たちと袂を分かち、厳しい棘の道を選択したのか。本誌はその苦渋の決断に至った経緯を聞くため本人を直撃した。
だがその表情には、迷いを吹っ切った晴れやかさと強い覚悟が漂っていた――――。
■「国民に説明がつかないまま、新しい党に入るわけにはいかない」
――立憲出身者は「民主改革の会」への全員合流が当然視されていたが、なぜ合流しなかった?
「まず大前提として、2月の総選挙で1,044万票、49議席という野党第1党の重い負託をいただきながら、その期待に見合う国会活動を果たせなかったことに対して、謝罪と反省がなくてはなりません。
しかし、中道分解のプロセスにおいて執行部から聞こえてきたのは、“どのようにして資金を確保するか”という話ばかりでした。
国民に向けた説明や、あるいは自分たちの覚悟を示す党の財政のあり方というのが一向に見えなかった。政党をつくる以上は大義や政策が必要であり、政党交付金の扱いについての誠実な説明が不可欠です。それらがないまま、流れで合流することはどうしても納得がいかなかったのです」(泉健太氏、以下同)
――かつては党代表も務め、仲間との絆も深かったはずだが。
「政党への入党や離党は本来とても重いものです。私自身、過去に執行部の指示で離党届や入党届を書かされた経験がありますが、納得がいかないままそれを繰り返したくはなかった。
できる限り仲間たちと共にと思っていましたが、国民の税金が関わる問題において、人情で行動を共にすることはできません。“裏切り者”“逃げた”といった厳しいお叱りの声もネット上で拝見しました。ですが、国民に説明がつかない状態で政党に入るわけにはいかないという決断でした」
――中道の解体に際し、未交付の政党交付金(今年度下半期約11億7000万円)や来年度分の受給を巡り、ネットやSNS上では《税金泥棒》などの激しい批判が殺到している。
「ネット上で指摘されているお叱りの声も当然だと思います。物価高で国民の生活がこれだけ大変なときに、“合法だからいい”と受給を強弁しても国民の信は得られません。“党職員の雇用や次の候補者を養うためにお金が必要だ”という意見も党内から出ているでしょう。
しかし、選挙で敗れて議席を減らした以上、規模縮小や我慢を受け入れるのは政治の宿命です。民間企業なら当たり前のことです。“受け取れるものはすべて受け取れる”取れるお金はすべて取る”という姿勢は自らに対する甘えでしかありません」
――具体的には、政党交付金をどのように扱うべきか。ご自身の考えは?
「今年度の残り下半期分約11億7000万円について、党の返済に使うという説明は支払い計画もあるため理解はできます。また、来年度分に関しても議員1人あたり約2,000万円の『議員割』は政党所属議員としての基本的権利だと理解できます。
問題は、1,044万票の負託を前提とした『得票割』の部分です。
公明党出身の28人全議員が公明党(以下、公明)に復党し、人数も大幅に減った18人の党が、身の丈に合わない来年度分の11億円超もの『得票割』を受け取るのは納得できません。少なくとも公明28人分の『得票割』にあたる約6.6億円分に関しては国庫への返還を検討すべきです。
今からでも考え直して、返還をするということを決めてほしい。遅くありません。国民の理解を得られる範囲で受け取る姿を示さなければ、お金は残っても信頼は完全に失われます」
