泉大津だんじりのホームページより 画像を見る

SNS上には、祭りの熱狂が一転して悲鳴に変わった凄惨な現場の様子を伝える声が、今も多数投稿されている。秋晴れの空の下、各地区の地車(だんじり)が威勢よく駆け抜けるはずだった大阪府内の秋祭りで、痛ましい事故が連続して発生した。

 

今年10月10日、大阪府泉佐野市と泉大津市の2か所で、秋祭りのだんじりが相次いで横転。この事故により、だんじりの屋根などに乗って指揮をとる「たかり役」を務めていた男性2人が下敷きとなって死亡し、あわせて16人が重軽傷を負う大惨事になった。

 

「事故直後から、XなどのSNSでは現場を捉えたとされる衝撃的な映像が急速に拡散。特に波紋を広げているのが、横転しただんじりの下敷きになった男性の右足が“切断”されているように見える動画です。

 

重量約4トンとも言われる巨大な木造の地車が、勢いよく倒れ込んできた際の破壊力が凄まじいことは想像に難くないでしょう。ほかの映像では家の縁側から祭りを見ていた方が目の前で起きた事故の惨状に思わず目を背け、早々と自宅の窓を閉めてしまう様子なども収められていました」(地方紙記者)

 

これまでもだんじりの横転や衝突による死亡事故は後を絶たない。’15年には泉佐野市で男性1人が死亡、’19年に尼崎市で男性1人が死亡、’22年には富田林市で男性1人が死亡、’23年には大阪市生野区と岡山県真庭市でそれぞれ男性1人が死亡するなどしている。

 

「市によっては行政がだんじり祭りの情報案内や観光対応などを行っていますが、祭りの実質的な運営や進行などは各町会をはじめとするローカルな地域組織によるもの。地域社会との結びつきがとても強く、人によっては祭りに人生を賭けていると豪語する方もいるため、死や怪我のリスクを承知でやっているという側面もあるのでしょう」(前出・地方紙記者)

 

しかし今回の事故をめぐっては、ネット上では《人の命を危険にさらしてまで、守り続けなければならない伝統なのか》《だんじりって、ほぼ毎年のように死者が出ているようだが、なぜ見直しをしないのか?》《これだけ死人やケガ人が出てるのだから、もうこれは問題ですよ》など批判が殺到。XなどのSNS上では《批判が増えれば、行政も動くかもしれない》《死人が出やすく対策もうまくいってないように映るなら行政は動くだろうね》など“行政による介入”を訴える声も少なくない。

 

死者を出した泉大津市にだんじり祭りに対する批判について問い合わせると、担当者は以下のような“複雑な胸中”を明かした。

 

「“危険なだんじり祭りをこのまま続けるのか”という問い合わせは複数いただいております。もちろんお亡くなりになった方が出てしまったことは大変悲しいことですが、市の立場としてはあくまで伝統文化という見方。基本的に実行委員会や祭りの委員会などが決定権を持っているため、行政による対応の必要性に関してはお答えできません。祭り自体は伝統であるので、継続して守っていきたいという気持ちではあります」

 

また、同じく死者を出した泉佐野市の担当者に取材すると、以下のように答えた。

 

「祭りは基本的には地方団体による自主運営。苦情などがあればお伝えして、対応をお願いするという形をとっています。祭りの是非に関しては苦情や抗議も含め様々なご意見を貰っていますので、各町の代表者の方が集まる協議会でお伝えはしています。

 

最近ではもともと地域の人が長く居住していたところにマンションなどが建って様々な方が住みはじめ、地域住民の考え方や立場も多様化しております。伝統を守りたいという気持ちはありますが、他方で事故に対する批判も当然ございます。代表者が集まる協議会ではそのあたりの調整に関してお話をさせていただいております」

 

毎年、事故が発生するたびに存続に関して是非が問われているだんじり祭り。はたして「伝統」は今後、どのようなかたちで存続していくのだろうか――。

 

画像ページ >【写真あり】「思わず目を背ける人も」物議を醸した“だんじり横転”の事故現場(他1枚)

出典元:

WEB女性自身

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