おかっぱヘアは43歳になった今でも!? 豊島由佳梨の近影 画像を見る

「最初、矢口史靖監督が『ウォーターボーイズ』の女性版の映画を撮ると聞いて、てっきりシンクロナイズドスイミングの物語だと思っていたんです。だからドラマー役は横顔が映るくらいだと思ってオーディションに臨んだのですが、じつはジャズのビッグバンドの物語。あんな大きな役になるとは、思いもよりませんでした」

 

そう振り返るのは『スウィングガールズ』でドラム担当の田中直美役を演じた、豊島由佳梨さん(43)だ。当時は音楽専門学校のボーカル科の学生だったという。

 

「専攻以外の授業を受けられる機会があったので、ドラムを選び、月に2~3回受講していました。とはいえ、8ビートをたたけるくらいの実力。演技も初めての経験だから、本読みのときも完全な棒読みでした。後で聞いた話ですが、監督は私のことを落としたのですが、助監督が救ってくれたそうです。『ドラムをたたいているときに、口を開けて楽しそうだったから』と(笑)」

 

豊島さんが演じた、コケシのような風貌の地味な田舎娘キャラは、矢口監督が作り上げたという。

 

「洋画家の岸田劉生さんが描いた『麗子像』をイメージしたみたいです。2?3人分の毛量のカツラを特注してもらいました」

 

オーディションの合格からわずか1週間後には、山形での合宿撮影が始まった。

 

「一匹狼で、群れるのが苦手なタイプなんですけど、ピアノ担当の平っち(平岡祐太)や、ベース担当の水田(芙美子)などのリズム隊と楽器の練習をするうちに、みんなと打ち解けていきました。平っちとは、テンポが速くなったり遅くなったりしたときにどう立て直すかといった話をしていました。映画のクライマックスになる演奏会にも、生かされたはずです」

 

上野樹里は面倒見がよく、「ボーッとしているとアドバイスをくれた」という。

 

「樹里ちゃんとの撮影で忘れられないのは、雪の中、コンクールに応募するための動画を撮るシーンです。映像では伝わっているのかどうかわからないのですが……、ダイヤモンドダストが見えて、ウキウキしたなかでの演奏で、心地よかったです」

 

映画公開から22年たったが、いまだに影響力を感じるという。

 

「オルガニストの大髙清美さん、ギタリストの矢堀孝一さん夫妻が経営するジャズバーで働いていたのですが、多くの若手ミュージシャンから『スウィングガールズを見てジャズを始めた』と聞きました。それほど大きな作品だったんですね」

 

『スウィングガールズ』(2004年)

鈴木友子(上野樹里)をはじめとした、東北の落ちこぼれ女子高生がビッグバンドを組んでジャズを演奏する青春映画。山形弁で「ジャズやるべ!」と突き進む姿が共感を呼び、全国で管楽器の売り上げが伸びるほどの社会現象に。

 

【PROFILE】

とよしま・ゆかり

1983年生まれ、北海道の知床、羅臼町出身。短編劇集『江古田東口 晴れのちサヨナラ』を10月29日?11月4日まで東京都練馬区のFOYER ekodaにて開催。

 

画像ページ >【写真あり】「初々しい」上野樹里のセーラー服姿(他1枚)

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