動画2:苦渋の決断

私の気持ちは、固まった。息子をシドニーの父親に送り届けてから横浜にトンボ帰りしよう。率直に私の気持ちを息子に言った。

おばあちゃんをこれ以上独りにしておけない。

image息子は、私の苦渋の決断に泣きながら、頷いてくれた。シドニーに戻る飛行機の中で息子は、私から離れようとせず、時々思い出したように泣いていた。
自分の母親と子供をてんびんにかける。そんな状況だったが、私には、迷いがなかった。

息子には、私がいなくても愛情をたくさん注いでくれる父親と腹違いのお姉ちゃんがいる。母には、今、誰もいない・・・

 

とても不思議だったのは、カメラで母を撮るという行為を通すと、私は、母の感情のブレによりよく気がつく、ということだった。レンズを通して母を見つめている私は、<娘>だけではなく、やはり<監督>なんだろうか。

image単に娘が撮るものは、ホーム・ビデオであり、監督という作家の目が注入されると、作品になるのか。ここら辺りは、是非、この連載を通して読者の皆さんに伺ってみたいところである。

 

 

 

 

 ドキュメンタリー映像作家 関口祐加 最新作 『此岸 彼岸』一覧

 関口家でも使っている、家族を守る”みまもりカメラ”