【動画5】台風の朝

<object width=”640″ height=”385″><param name=”movie” value=”http://www.youtube.com/v/GCPOf7Ssrfw&hl=ja_JP&fs=1&”></param><param name=”allowFullScreen” value=”true”></param><param name=”allowscriptaccess” value=”always”></param><embed src=”http://www.youtube.com/v/GCPOf7Ssrfw&hl=ja_JP&fs=1&” type=”application/x-shockwave-flash” allowscriptaccess=”always” allowfullscreen=”true” width=”640″ height=”385″></embed></object>

忘れもしない10月7日が、やって来た。前の晩にあさって8日は、「THEダイエット!」プロモーションのため、読売新聞映像部の「どれどれトーク」テレビ出演の収録があるよ、と母に話していた。母は、どうやら7日だと思い違いしたらしい。午前7時過ぎ私の部屋にやって来て、部屋の電気をパパパッと点け「起きろ!」と叫んだ!収録は、8日なんだけどなあ、と思いながら起き出した私は、唸る風の音に思わず、カメラを取り出していた。
image

台所の窓を開けると、草木はたなびき、空はどんよりとし、いかにも台風の到来を思わせる景色が目の前、いや、カメラの前に広がっていた。パジャマのまま、あまり考える暇もなく自然に撮影を開始していた。そのうちに、玄関で音がしている事に気が付く。母が、外へ出て行こうとしている!慌てて、玄関に出向く。

その時の母を撮ったのが、今回の映像「台風の朝」のロング・ショットなのである。実は、このロング・ショットは、意図したものでも、演出したものでもなく、ただ単に私の母へのビビリ度の表れ、だ。

ビビれば、当然、近寄れない。

image私の思いが、カメラのサイズやアングルを決める。しかもすべて本能的な一瞬の決断!母は、私がカメラを向ける中、突風にさらされながら新聞を取りに行った。そこでは、思わぬ収穫が待っていた!母が、前の晩の夕刊を取り忘れていることに気が付いたのだ。不機嫌になる母。私は、夢中でなりゆき任せにカメラを回し続ける。家の中に戻ってからも母は、カメラを向けられていることを忘れ、一生懸命濡れたビニールを破って新聞紙を取り出そうとしている。
そしてフト、カメラの存在に気が付く。

image

「ナニやってんだよ、こんな狭いところで!」

この脅し暴言の瞬間、私は、再認識した。母は、監督を、娘を罵倒出来るとてつもない被写体であることが・・・原一男監督の「ゆきゆきて、神軍」の奥崎謙三レベルなのだ!もう落ち込んでいるなんて悠長なことは、言っていられない。台風に助けられ、私の手にカメラが戻ってきた瞬間だった。

 

 ドキュメンタリー映像作家 関口祐加 最新作 『此岸 彼岸』一覧

関口家でも使っている、家族を守る”みまもりカメラ”

関連カテゴリー:
関連タグ: