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元プロ野球選手で野球解説者の元木大介さんがテレビ番組で「高卒は引退しても仕事がない」と告白したことが議論を呼んでいます。たしかに学歴が就職や昇進などにおいて無関係とはいえないと思いますが、学歴よりもその人が人生においてどのようなビジョンを持っているか、そしてそのビジョンに向けてどれほど努力しているのかが人生を成功させる重要なカギだと思います。今回はそういった観点から「人生のビジョン設定の大切さ」について考えてみたいと思います。

“あなたにとって10年後の人生のビジョンとは?”と聞かれたら、みなさんはどう答えるでしょうか。即答できないとしてもまったく問題ないので、目を閉じて少しの時間、考えてみてください。もし自分が描くそのビジョンの失敗する可能性が0%で成功する可能性が100%だとしたら。すなわち絶対失敗することがないとしたら、みなさんは10年後にどうありたいと思いますか。

まずは次の5つの質問に答えてみてください。

①みなさんはどこに住んでいますか?
②みなさんのまわりには誰がいますか?
③みなさんの身体はどういう状態ですか?
④みなさんは日常の時間をどう使っていますか?
⑤みなさんは何を仕事として暮らしていますか?

これ以外にも、みなさんのビジョンが実現したときの日常の風景や内面の状態をご自由に描いてみてください。

Imaging is Creating。人生は想像を創造する旅です。過去のことで今落ち込む必要はありません。過去を振り返るのは、未来を創造するときにだけするという心構えが必要です。過去の延長線上に未来の目的地を設定する必要はありません。未来は自分が新しく創造するべきで、過去の再生産であってはならないのです。未来の可能性は無限です。その無限なる可能性のなかでありたい未来を選択した瞬間、その未来は実現に向けて最初の一歩を踏み出すのです。

人生には2つの生き方があります。1つ目は「状況適応型」。これは状況に対応し適応していくことで自分の人生が“作られていく”生き方です。2つ目は「ビジョン先導型」。これは自分があらかじめ設定したビジョンに基づき、それを実現することで人生を“作っていく生き方”です。ここでいうビジョンとは未来でありたい自分の姿であり、その姿を想像することをビジョニングと呼びます。これができているかどうかで、我々が出合う未来はまったく変わってきます。

状況や環境は固定されていて不可抗力的なものですが、その状況や環境をどのように解釈し、どのように経験するかは我々次第です。つまり同じ状況から、絶望や苦しみや不幸を見いだす人もいれば、いっぽうでは希望や成長や幸福を見いだす人もいます。そういう意味で、状況や環境は幸福という観点から常に“中立的”です。人間は自分より恵まれている人を眺めて嫉妬や自虐心や不幸を味わうこともあれば、自分より恵まれていない人たちを眺めて安堵感や優越感や幸福感を味わうこともあります。つまり、状況や環境への解釈次第でそれらが意味するものは変わってくるのです。

自分にチャンスを与えましょう。未来への想像が未来を創造します。その理想とする未来への想像を普段から心掛ける人は、その理想とする想像を実現する可能性が圧倒的に高くなります。目的地の無い舟にはどんな風も順風にはなれないものですが、進むべき目的地が明確になっていればその方向に向けて時間、努力、集中力、お金といった“人生の舵取り”をより戦略的に効率的に行うことができるからです。そうすることで、自分の望む未来は自ら近づいてくるのです。


ジョン・キム 吉本ばなな 「ジョンとばななの幸せって何ですか」(光文社刊・本体1,000円+税)

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吉本ばなな

1964年東京生まれ。’87年『キッチン』で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。’88年『ムーンライト・シャドウ』で泉鏡花文学賞、’89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で山本周五郎賞、’95年『アムリタ』で紫式部文学賞、’00年『不倫と南米』でドゥマゴ文学賞をそれぞれ受賞。海外でも多くの賞を受賞し、作品は30カ国以上で翻訳・出版されている。近著に『鳥たち』(集英社刊)、『ふなふな船橋』(朝日新聞出版社刊)など。

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