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奥様、愛し合っていますか? え? やだなぁ、ご主人とですよ~。仲良くやっていますか? ご主人以外の男性に目移りされてませんか? 芸能人への片思い? それならいいですよ。不倫じゃなければいいんじゃないでしょうか? ご主人公認であれば微笑ましいですね。

 

私は恋ができないんです。若いころは恋愛体質だったんですけど、気が付けば、恋愛恐怖症。「愛している」という言葉に鎖と重石が見えるようになりました(笑)。すなわち、恋愛に走る力がもうないんですよ。恋に走れる人とか、恋ができる人が本当にうらやましい。いろいろとありましたからね、自分に懲りたというか、恋はもう十分だなって思うわけです。でも、男ですし、この年で1人だと寂しいことは寂しい。でも面倒くさいことが降りかかるくらいなら、ひっそり静かに生きていたい、と思うようになりました。年? あはは。熱く燃えたぎる恋愛はもういりませんが、清楚な無償の愛ならしてみたいですね。誰かが幸せになってくれることをそっと願ってみたい。奥様がアイドルや韓流スターに憧れるのと一緒かも。

 

子育てもそうですね。これも無償の愛です。一銭たりとも返してほしいと思わないです。自分が生きている間に残せるものがあればすべて子供のために残したいと思うようになりました。それで少しでも子供の人生が楽になるなら、働き甲斐があるというものです。無償の愛って、あると思いませんか? 少なくとも自分の中にはありますよ。自分の血を引く者たちへ向けられた取引のない愛は本物だと思っています。言葉にするとたいへん陳腐ですけど、そういう愛もあるんです。それが愛の究極の姿じゃないかな。

 

もし、これから先、血はつながっていないけど、誰かに愛を差し上げたいと思うことがあるならば、一切の取引のない、無償の愛がいいでしょう。何も求めないし、何も要求しない、存在するだけでいいから、みたいな愛。約束したり、契約するから人間は揉める。「私のことどれだけ愛しているの?」。こういうセリフはすでにアウト!(笑)奥様とご主人の愛は、いちいち愛を確認するようなものじゃないでしょ? セーヌ川の河畔で愛を囁き合っている若者たちを横目に、辻パパはそんな風に思うわけです。まあ、恋は自己愛ですかね。自分に酔ってるだけ……。人を愛そうとしている自分に酔ってるだけの表層的な妄想に過ぎないのかもしれません。そもそもどこかに犠牲を生み出すものは愛じゃない。少なくとも私はそういうものに一切関わりたくない。静かに子供を育て上げ、老後は海辺で暮らし、いくつかの作品を残せたらいいなあ、と思っている次第です。

 

さて、今日はさくっと料理できる一品をご紹介させていただきます。お中元とか、頂き物で、どうしていいものやら、と悩む贈り物ありませんか? その1つが「蟹味噌缶詰」。お酒のお供には最高! でも毎日は食べられなくて、冷蔵庫の奥の方にしまったまま、たいてい化石化します(笑)。そこで今回は蟹味噌缶詰を使った、超簡単料理を考案してみました。

 

材料:蟹味噌缶詰50g、合わせ味噌20g、長ねぎ50g、昆布少々、塩小さじ2分の1、オリーブオイル小さじ1、ごま油小さじ1、だし汁適量、米2合。

 

米をとぎ、水の代わりにだし汁を2合の目盛りまで入れる。昆布と輪切りにした長ねぎを散らし、塩、オリーブオイル、ごま油、蟹味噌、合わせ味噌を入れ、よくかき混ぜ、早炊きで炊けば完成。器に盛り、ごま(分量外)を振りましょう。塩は最初に入れず、あとで入れて塩加減を調節しても大丈夫。この塩味が決め手となります。何とも言えない蟹味噌の香りが家中に広がる一品です。ご主人のお酒のお供にも最適。

 

ボナペティ!

 

 

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