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人間は、広い世界のほんの一部で生きている。
全てを知ることはできない。
世界のどこかには、自分の知らない何かを熱狂的に愛してる人がいる。研究する人がいる。
そんな人が集まると、小さなブームになる。
誰かの世界を、少しだけ覗いてみちゃおう。
それが「うさこの覗いた世界」なのだ…!

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快適な室内や便利すぎる電子機器に慣れてしまった現代人は
昔に比べて外で遊ぶ機会が激減している。
子どもでさえ公園で遊ばないと言われているのだから、
大人になったらなおさらのことだろう。
「草食系」という言葉が生まれてしまうくらい
現代の人たちは心も体もひ弱になっているのだ。
それじゃダメだ!! 健全な肉体に健全な精神を宿らせなきゃ!!!

 

今回はそのどちらもを養うべく、
難波宮で開かれた「チャンバラ合戦-戦 IKUSA- 逃走中」に参加した。
なんとも名前からワクワクするイベントだ。

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正直本気の合戦が始まるのではと不安になる程何もなくだだっ広いこの難波宮公園は、
都会のど真ん中に位置する古代宮殿の遺跡である。
孝徳天皇が難波に遷都し宮殿を作り、あの有名な大化の改新もこの難波宮で行われたらしい。
こ、こんな歴史的価値があるところで…戦を…!?
四方に置かれた戦と書かれた旗がなおさら気持ちを盛り上げた。
もう既に改革軍気分である。世界はこの手で変える!

 

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時間になると、まずは準備体操ということでラジオ体操が始まった。

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まるでこれから戦が開かれるとは思えないほどののどかな光景だ…。
つかのまの平和をじっくり味わった。
中学を卒業して以来のラジオ体操だったが、
何も見ずに踊れるほど覚えていたことに動揺し少し心が乱れた。
お、落ち着け…。これから戦うんだから…。平常心平常心…!

 

ラジオ体操が終わるとボールとボールを腕につけるための磁石が配られた。

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このボールは「命」。
これが落ちてしまったらもう戦いの場にはいられない。
ボールの色で赤チームと黄色チームに分けられたわたしたちは、
敵カラーの「命」を落とすべく戦うのである。
刀(ふにゃふにゃして痛くない)を手にしたら、
いよいよチャンバラ合戦の幕が下ろされる。

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「うおおおおおお!!!!」

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勢いよく攻めてきたのは敵陣である黄色チームである。
黄色チームは好戦的な男性が多く、
赤チームは防戦一方だった。

 

そんな中、「女の子のボールは奪えない…」と話している黄色チームの男性とわたしは目が合った。
「ほほう? 奪えないなら、わたしが奪ってやる!!」
闘志むき出しの目で見ると、向こうも「やってやろうじゃねーか」という顔で返してくる。

 

人が入り乱れる合戦のなか、わたしたちは完全に二人の世界。
一騎打ちだ…!!!!

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突如駆け抜けるようにやってきた敵軍に後ろからボールを取られてしまった。
一騎打ちの邪魔をするなんて…
なんて武士道精神の欠片もない!!!
武士の風上にも置けないよ…!!!
卑怯…だがしかし負けたらおしまいそれが戦の掟…。
これが世の中の真理なのかもしれない…。

 

「命」を失ったらフィールドから出るのがルール。
わたしは戦場を後にした…。

 

続いて第二回戦。

 

わたしは先ほどの教訓を生かし、
気弱そうな女子を後ろから襲うことで命奪取に成功(外道)。
自分の身を守ることを最優先しながら隙を見つけて叩き落とす戦法で合戦後半まで残っていた。
そんなときだ。
男10人に囲まれたのは…。

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前後左右どこを見ても敵だらけ。
こうなってしまったらもう為す術もない。
既にフィールドから出て見ていた女の子たちから「ひどーい!」という声が上がるほど
あっぱれなまでの外道スタイルである。
わたしはまんまとやられ敗退を強いられた。

 

「さっき、めっちゃ囲まれてましたよね(笑)」
突然敵チームの男性に声をかけられた。
まさか悲惨すぎるやられ方のおかげで友達を増やせるなんて…。
悔しさはあったが、それならたまには囲まれてみるのも悪くない。

 

この後、5人1組のチーム戦ということで
あらかじめ振り分けられていたチームに分かれたが、
我がチームは見事に全員か弱い系女子(自称)。

 

「か弱い女子たちがどう生き残るか」
必死に考え抜いた結果編み出されたのが、“立地を盾にして木に守られる戦法”だった。
近くに立っていた立派な木を囲んで立つことで背後を守ったのである。
それは飛躍的に生存率を伸ばした。
チームが入り乱れる以上、敵は勝手に自滅する。
戦闘力の低いわたしたちがあえて戦地に乗り込むことはない。
時を待つんだ…!

 

戦いが終わるまで生き残れたのは5人中2人。
チーム戦1位になったのは4人生き残ったチームで、見るからに戦闘力が高そうだった。
わたしたちは入賞こそできなかったが「か弱い割に好戦したよね!」と大満足の結果だった。

 

さらにこちら側が命を奪えない「ハンター」が導入され大混戦。

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そこからボールを付けた反対側の左腕にポイをつけ、チームの半分が水鉄砲隊となり
ポイを破くことでも攻撃できるシステムが導入。水を浴びながらの納涼バトルだ。
最後はハンターも参加して全員敵のバトルロイヤル…と、
形を変えながら戦いは続いた。

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王者が決まった瞬間!

 

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お日様の下でこんなに駆け回るなんていつぶりだろう…。
こどもの頃からインドアで外は嫌いだったわたし。
おとなになってからはなおさら外で走り回ることなんてなかった。
日の光を浴びたら死ぬとばかり思っていたが、外遊びがこんなに楽しいなんて…!
チャンバラ合戦はインドアうさこに新しい衝撃を与えた。

 

それだけじゃない。
「弱くても頭脳があれば戦える」という生き物にとって重要な戦い方まで
同時に教えてくれたんだ…。

 

あの日の思い出を活かして、
身体ともに屈強なうさこへと進化遂げていきたい所存である。

 

「チャンバラ合戦」詳しくはこちらから!
http://tyanbara.org/

米原千賀子

ライター兼イラストレーター。へっぽこな見た目とは裏腹にシビれる鋭いツッコミで世の中を分析する。人呼んでうさこ。常に今日の夜ごはんのことを考えている食いしん坊健康オタクな一面も。webマガジンNeoLなどで連載中。