娘が不登校危機に……愛溢れる解決作を指南(JINSEIのスパイス!第18回)

【今週の悩めるマダム】

 

中学生の娘が定刻に学校に行けなくなり、数カ月が経過しました。しかし、明確な理由がいまだにわかりません。夏休みに精密検査を受けさせましたが、血圧が少し低いこと以外は、まったく問題がありませんでした。娘とどう向き合っていけばいいのかわからなくなっています。辻さん、どうかご指南くださいませ。(岐阜県在住・50代主婦)

 

中学生は本当に難しい年ごろですね。うちも腫れ物に触るように過ごした時期がありました。ちょうど9歳から10歳にかけて、思春期のもっともセンシティブな時期に突然父子2人暮らしになったので、彼の心の状態がまったく見えなくなったのです。

 

うちの場合はそうした明確な理由があったので、いいアドバイスになるかわかりませんが、とにかく心が見えない子どもとどうやって向き合えばいいのかを考える毎日でした。息子の同級生のお父さんから呼び出され「専門の先生に相談したほうがいい」と説得されましたが、それは違うと思って、まずは僕なりに息子と向き合うことにしました。フランスの場合、少しでも心の問題があるとすぐに専門医に頼ることが多いのです。でも、親が自分のことを第一に考えているということを子どもが知ることが大事じゃないか、と思います。僕は父親ですけど、自分がそばにいるから安心しなさい、というメッセージを送り続けたのです。伴走する感じです。

 

返事を期待してはいけません。無人島からビン詰めにした手紙を海に投げるような毎日でした。「愛してる」と言っても彼には届かないし、愛が信じられなくなっている状況でしたから、とにかく寄り添うしかありませんでした。「うざい」と思われても毎日お弁当を作り、彼はバレーボール部員でしたから毎日学校から帰ってきたら近くの公園で青春ドラマばりにコーチをやりました。一緒にYouTubeを見て、返事がなくても会話を続けました。

 

息子は離婚の直後、落第の危機に陥ります。担任に呼び出され、このままでは進級できないと宣告されました。手を握り、肩を抱きしめ、一緒に勉強をしよう、と励まし続けました。YouTubeが好きでしたから、学校の先生がやっているYouTubeの番組を探して一緒に見たのです。フランス語でしたから僕にはちんぷんかんぷんでしたけど……。「学校はどうだった?」と毎日、帰ってくるたびに聞きました。最初は「うん」とひと言つぶやくだけでした。でも、それを続けていたら、「よかったよ」とか「テストで100点とった」とか返事をしてくれるようになったのです。少しずつ少しずつ言葉が増えていきました。笑顔が戻ってきて、料理をしていると横にやってきて、今日の出来事をしゃべってくれるようになりました。そういうときは頭をさすってやります。肩を抱いてやります。恥ずかしがってはいけません。スキンシップも大事です。

 

子どものシグナルを見分けるのは非常に難しいことですが、どんなに厳しい状況にあろうと、愛情を送り続ければ、子どもには伝わります。諦めないで、どうか娘さんの心の中を見続けてください。ある日思いがけず、無人島に「ありがとう」という手紙入りのビンが届くことでしょう。

 

【JINSEIの格言】

 

息子は先週、15歳になりました。留年危機もありましたが、無事志望校に合格。きつい中学時代を走り抜けられました。ここに至るまで、ひと言では表せない地道な愛がありました。

 

 

この連載では辻さんが恋愛から家事・育児、夫への愚痴まで、みなさんの日ごろの悩みにお答えします! お悩みは、メール(jinseinospice@gmail.com)、Twitter(女性自身連載「JINSEIのスパイス!」お悩み募集係【公式】@jinseinospice)、またはお便り(〒112-0811 東京都文京区音羽1-16-6「女性自身」編集部宛)にて絶賛募集中。 ※性別と年齢を明記のうえ、お送りください。

 

以前の連載「ムスコ飯」はこちらで写真付きレシピを毎週火曜日に更新中!

関連タグ: