(写真:重要文化財 浮彫伝薬師三尊像/飛鳥~奈良時代・7~8世紀/奈良・石位寺蔵) 画像を見る

話題のスポットやエンタメに本誌記者が“おでかけ”し、その魅力を紹介するこの企画。今回は『日本書紀』編纂から1300年を記念した展覧会をご紹介。

 

■『日本書紀成立1300年特別展「出雲と大和」』東京国立博物館平成館(上野公園内)にて開催中

 

日本で最も古い歴史書として知られる『日本書紀』。冒頭に記された国譲り神話によると、出雲(島根県)と大和(奈良県)は古代日本において重要な役割を担っており、その2カ所の名品を集めて古代日本の成立や特質に迫ることが本展の目的とのこと。

 

会場は4章で構成され、第1章は出雲大社本殿を支えていたとされる「心御柱(しんのみはしら)」「宇豆柱(うづばしら)」があって、2つそろっての公開は史上初になるそうです。その大きさ、存在感に本殿の大きさがしのばれました。

 

第2章は弥生時代の祭祀に用いられた品々が展示されています。荒神谷遺跡から出土した銅剣358本のうち168本が展示されたさまは壮観です! 第3章は大和王権の成立に迫るべく古墳時代の多彩な造形品が展示。ここに国宝の「七支刀(しちしとう)」がありました。日本史の一級史料をじっくりと堪能。

 

そして第4章は、飛鳥時代以降の仏像などがそろっていて圧巻です。個人的に目を引いたのは石仏『浮彫伝薬師三尊像(うきぼりでんやくしさんぞんぞう)』。欠けているなどの傷がほとんどなく、風化せずにここまで残ったのは奇跡なのだとか。

 

国宝、重要文化財も含めて約170件。悠久のときを経て現代に届けられたお宝たちに、圧倒されっぱなしの展覧会でした。

 

「女性自身」2020年2月18日号 掲載

【関連画像】

関連カテゴリー: