画像を見る

【今週の悩めるマダム】

50代の夫が、最近些細なことですぐ怒るようになり、性格が変わりました。家に帰ってくるなりイライラし続けていて、話しかけただけで怒鳴り散らされます。いつか手が出るんじゃないかとヒヤヒヤするほど。優しかったころの夫に戻ってくれることを信じていますが、いつまで続くのかと思うとつらいです。(埼玉県在住・50代主婦)

 

男性にも更年期障害というのがあるのです。僕も50代の途中で、やはり苦しい精神状態が続きました。お医者さんには、離婚による鬱が原因だろうと言われました。僕の場合は、精神的なものに加えて激しい胃潰瘍にもなったので、二重で苦しかったです。60代になり、いまは多少落ち着いてきたと思いますが、コロナもあるので、なかなか完全復帰とはいきません。だましだまし、頑張ってる状態です。

 

調べたところ、男性の更年期障害というのは、加齢に伴う男性ホルモン(テストステロン)の低下によって引き起こされるみたいです。男性ホルモンは20代から下がる一方だそうで、さらに社会的なストレスが追い討ちをかけるといいます。その結果、男性はEDなどの身体的な症状も出るし、不眠、無気力、イライラなどに苛まれるようになります。ご主人はもしかして、中間管理職だったりしませんか? 50代というのは、会社内で最終コーナーを曲がり始める時期。若かったころに描いていた夢を思うように果たせない苦悩に、現実が覆いかぶさり、今までにないストレスが加わって、更年期障害が出たのかもしれませんね。

 

奥様だけで判断がつかない場合、専門医に相談をしてみてください。世界的に使われている「AMSスコア」と呼ばれる診断方法があるので、それで状態が分析できると思います。更年期障害と診断された場合は、立派な病なので、決して自力で治そうとせず、お医者さんの指示を受けた方が賢明です。男性の更年期障害は40代からあるようなので、侮ってはいけません。僕は当時そのことに気づくことさえできなかったので、自力で向き合いましたが、正直、ちょっと危険でした。でも、思い返すと最悪の事態に至らなかったのは、寄り添ってくれた息子の存在が大きかったように思います。

 

「パパ、いつになくイライラしているけど、大丈夫?」。こう言われたのが、この病を知るきっかけにもなりました。「どんなときでも、僕がいるから、安心して……。少し休んでなよ。何か作ってあげるから」そう言って、息子がサンドイッチを作ってくれました。こういう何気ない精神的な支えに、本当に救われるものです。僕はその優しさにすがるようにして、厳しかった50代後半の日々を乗りきることができました。

 

まずはご主人と話し合い、更年期障害の可能性があると思われるなら、専門医を訪ねてみましょう。あとは奥様がご主人に寄り添い、支えてあげることが大事。今のところ、奥様はまだ大丈夫なようですから、ご主人の力になってあげてください。そばにいる家族が時間と愛情を傾けることが、この病に打ち勝ついちばんの方法なのです。僕にとっては、息子の愛情が“特効薬”でした。

 

【JINSEIの格言】

寄り添ってくれた息子の存在が大きかったように思います。「パパ、いつになくイライラしているけど、大丈夫?」。こう言われたのが、男性更年期を知るきっかけにもなりました。

 

この連載では辻さんが恋愛から家事・育児、夫への愚痴まで、みなさんの日ごろの悩みにお答えします! お悩みは、メール(jinseinospice@gmail.com)、Twitter(女性自身連載「JINSEIのスパイス!」お悩み募集係【公式】(@jinseinospice)、またはお便り(〒112-0811 東京都文京区音羽1-16-6「女性自身」編集部宛)にて絶賛募集中。 ※性別と年齢を明記のうえ、お送りください。

 

以前の連載「ムスコ飯」はこちらで写真付きレシピ公開中!

【関連画像】

関連カテゴリー: