’00年10月20日に懲役6年の刑が下り、滋賀刑務所に収監された健治さん。

子供から来る手紙の中の文面は、いつも親に心配をかけてはいけないという雰囲気がありありと出ていたという。決して自分たちの辛いことは一切書かれていなかった。

「4人で仲良く元気にやっているから安心してくれと。その半面、辛かっただろうと思ってます。いつも手紙が来るたびに、我が子ながら、さすがだと思ったねえ。
僕は、4人が結託して頑張れば、例え中学校しか出ていなくても大丈夫。とにかくやるだけのことをやっていけ、と。そしていずれ死は訪れる。それまでにどれだけやれるか。勝負だから、やれるだけやってみいと。何もカレー事件をリュックサックに背負わんでもええ。そんなもんはポンと捨てて、とにかく前向きに行け。
そういう手紙を、僕は子供たちに書いていました。
そして、先生にいじめられるんやったら、その先生のことを全部日記に書いておけ。わしが出たら、ちゃんと話しに行くからと。
とにかく子供たちが、手紙を読んで心強く思えることを書いたつもりでいます」

子供たちは、心強い父からの手紙を受け取るたびに、辛い日常を乗り切る勇気をもらった口を揃える。

シリーズ人間【林眞須美和歌山カレー事件・林家の10年更新中

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