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2月20日未明、川崎市の多摩川の河川敷で殺害された上村遼太くん(享年13)。事件から2カ月が経つが、いまも献花に訪れる人は絶えることがないという。河川敷の献花を整理するボランティア活動を続けてきた橘内達夫さん(73)は本誌の取材に、こう明かした。

 

「4月9日が上村くんの四十九日だったんです。その日のうちに、上村くんの友人や先輩たち数人が、『遼太くんのお兄さんが、四十九日のお参りに河川敷に来て、弟へのメッセージと、中学2年生用の参考書を2冊供えてきたんだよ』と言ってきたんです。一緒に探したら、確かにそのメッセ―ジと参考書が置いてありました。他のボランティアたちにも話して、見やすい所に置いて、献花に来た人たちにもわかるようにしています」

 

兄が弟の“悲劇の現場”に捧げた品を見せてもらうと、雨除けのビニールジッパーに参考書2冊と一緒にノートが1冊入っていた。メッセージに記名はなく、『遼太へ』という書き出しで始まっていた。手紙には、丁寧な文字で愛情にあふれた文章が綴られていた。

 

《少し久しぶりになった。そっちの世界にはもうだいぶ慣れたか?今日お前と話したいのは3つあるんだ。49日だな!進級おめでとう!!》

 

本来なら、4月に中学2年に進んでいたはずの遼太くん。兄として、天国で中学2年を迎えた弟に、こんなアドバイスを送っていた。

 

《いよいよ「先輩」だな。2年生は難しいぞ~。3年生と1年生の板ばさみになったり、3年が引退すれば、いよいよお前らが部活を引っ張っていかんといけんしな。それにだ。「勉強」が急に難しくなるぞ~。ということで、今日のみやげは参考書な!「えー、そんなのいらない」って言われるかもだが、ちゃんと勉強しろー》

手紙の最後は、こう締めくくられていた。

 

《遼太、お前はこんなことに……って思ってマイナス思考になってたらいかんのだよな。だからこそ、笑顔で前に進まないといかんのだよな!大切なこと、大切な人を守る強さ、信念を持ってさ、頑張るよ!遼太に笑われちまうからよ。見ててくれよ!それじゃ、また来る!じゃまって言うなよw》

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