1月25日、元日本ユニシス社長の籾井勝人氏 (70) がNHKの新会長に就任した。「籾井新会長は安倍首相に近い。もう安倍首相の望む人事をおこなう動きも出ていて、会長の側近が『報道の人事リストを提出して』と言ってきているようだ」とNHK職員は言う。

 

昨年は朝の連ドラが好評で、存在感を増しているNHKだが、立教大学メディア社会学科の砂川浩慶准教授はこう憂慮する。

 

「総務省に提出された来年度予算で、国際放送の充実、との項目がある。この背景には、自民党からの“国の主張に沿った国際放送”の強い要請がある。放送で世界の信頼を得るには“客観的な報道”が重要。受信料制度に支えられたNHKは、公共放送として国民からの支持が不可欠だ。『皆様のNHK』を改め『安倍様のNHK』となれば、公共放送の自殺行為で、心配だ」

 

籾井氏は九州大学経済学部卒業後、三井物産で鉄鋼畑を歩んだ。副社長まで勤め上げ、’05年に日本ユニシス社長に転身。同社の社員が回顧する。

 

「就任してすぐ『下意上達の企業風土が浸透していることが重要だ』と、社長になんでもメールで意見できる『もみいボックス』を作ったんですけど、秘書室の連中に見られているという噂もあって機能していなかった」

 

3千億円あった売上を2千500億円に落としてしまったことなどから、古巣からは彼の6年間は“失政”だったという声が。前出の砂川准教授もこう指摘する。

 

「籾井氏はNHKの報道に関して内定会見で『公正公平』を強調したようだが、都合の悪い話題をバランスが悪いとして、報道せず沈黙していくことが懸念される。過去、親しい政治家の逮捕や不利な事項を報道局幹部の指示で報道せず、その2人の幹部が会長になった例もある。”触らぬ神に祟りなし”や“当たり障りのない”番組や報道が増えれば、安倍政権が喜ぶだけだ」

 

冒頭の職員はこう言う。

 

「籾井氏は権力志向で、すでに『私の権利を侵害するような人物は理事にしない』との発言をしたと漏れ伝わってきている。それを聞いて局内では『昔の海老沢体制のような体質になっていく。エビジョンイルならぬモミジョンイルだな』との声が出ている」

 

籾井新体制で巨大メディアの今後の舵取りは大丈夫なのだろうか。

 

(FLASH 2月11日号)

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