「大人とは違い、子どもの文字は心理状態によって、たった1日で変わることがあります。お子さんの状態を知りたい場合はノートを見て、文字をいくつか書かせてみれば、すぐわかりますよ」

 

こう話すのは、25年間でのべ2万人以上の文字を研究してきた児童筆跡心理研究家の石崎泉雨(せんう)先生。近著『わが子の筆跡で「いじめ」が見抜ける』(講談社)がベストセラーになっている。

 

「今まで丁寧な字でノートを取っていた子が、急に荒っぽい字を書くようになったら要注意。SOSのサインかもしれません」と石崎先生。

 

文字全体のバランスから、子どもの性格や心理状態をチェックできるそうだ。1行の中に大きな文字と小さな文字が出てくる子どもは、変わったことが好きな気分屋タイプ。また情緒不安定なときにもなりやすい。急に、大字小字混合型になった場合は「何かあった?」と声かけを。

 

また、縦書きで文章を書いたとき、行の下部が左にズレる子どもは、自分勝手で周囲の人の言うことを聞かないタイプがほとんど。一方、右にズレる子どもは心配症で潔癖症の傾向がある。どちらも人づきあいが苦手な子に多い。また、文字と文字の間が極端に狭く、ぴったりくっついている書き方は、せっかちで物事への対応が荒っぽい子どもに多く見られる。ゲームにどっぷりはまっている子の書き方の特徴でもあるという。

 

「今までとは違う字を書くようになった子に対しては『何かあったの?』と聞いてあげることが大切です。決して叱ったり責めたりしないでください。あくまでも字のおかしなところを、直すように言ってあげてください」(石崎先生)

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