今月15日に召集される臨時国会で、安倍政権が成立を目指している「特定秘密保護法案」という法律。簡単に言えば、戦争をしやすくするために、軍事にかかわる情報は全部、秘密にするということ。諸外国との情報共有を進めるため、「防衛」「外交」「特定有害活動の防止」「テロの防止」の4分野の重要な情報が「特定機密」になる。

 

だが、戦争以外にも、この法律が通ることで、生活が脅かされる危険が増えてくる。日弁連秘密保全法制対策本部副本部長で、尾道総合法律事務所の井上正信弁護士が、この法案の危険性について語ってくれた。

 

【汚染水漏れや原発内部の図面なども非公開に】

「原子力規制委員会・原子力規制庁が持つ原発情報は特定秘密の対象になります。テロ防止の警備体制を敷くため、原発施設内の図面も非公開になります」(井上弁護士・以下同)

 

どこで汚染水が漏れたという情報も、場所が特定されるという理由で隠される恐れも十分考えられる。

 

【市民のプライバシーが丸裸にされる!】

「『秘密』として指定された情報を取り扱う人は、徹底して身元調査される恐れがあります。公務員や民間企業に務める人たちの住所歴や学歴、職歴だけでなく、借金や返済の状況、薬物の影響や酒癖、精神疾患による通院歴など、個人のプライバシーに関することまでチェックしようとしている。ここまで来ると人権侵害です」

 

【一般市民が行政の活動をチェックする行為もNG】

都道府県の警察や公安・外事警察の情報活動も「特定秘密」となる。一般市民が行政の活動を監視、告発する「オンブズマン活動」で、これらの情報にアクセスしようとすれば、その手法によっては逮捕される恐れも。

 

そもそも公務員には守秘義務違反があり、現状でも最高1年の懲役、または50万円の罰金が科せられる。「特定秘密保護法案」では、「最高10年以下の懲役」と罪を重くして、罰する対象も一般市民にまで広げた。インターネット報道メディア「インディペンデント・ウェブ・ジャーナル」主宰で、ジャーナリストの岩上安身さんは、こう警鐘を鳴らす。

 

「戦争ができる国にするということは、将来、徴兵制が復活することもありえるかもしれません。また、戦争にかかる莫大な費用を国民が増税などの形で負担させられることも考えられます。戦前の世界に後戻りさせる。その一歩がこの『特定秘密保護法』の成立なのです」

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