今や広がるいっぽうのIT依存だが、そこから脱却する「IT断食」をいち早く成功させた企業がある。システム開発などを手がける株式会社ドリーム・アーツは’12年よりIT断食を敢行。結果、社員の営業力は上がり、’13年12月期の売り上げは、前期比3割増を達成したという。

 

そこで同社のCT企画推進本部・吉村厚司本部長に、その具体的な取り組みを聞いた。

 

【1】1日のうち、パソコンに何時間向かっているか把握する

「資料作りやメールの返信に多くの時間を割いていては、新しい仕事は生まれません。まずは人に会う時間比率が下がっていないか、確認を」

 

【2】社内向けCCメールの禁止

「CCは『この人にも知らせておいたほうがいいかな』という一種のアリバイ。そこに時間を費やすより、直接話す雰囲気を重視しました」

 

【3】パワーポイントの資料作成を禁止

立派な資料ができあがると達成感があるが、「誰かの情報を切り貼りしただけの『飾り』にすぎません。資料作成という『作業』に費やすより、企画を考えたり、人と会う時間を多く持つようにしました」

 

【4】会議にパソコンやタブレットを持ち込まない

「パソコンの画面に没頭していたら、会議に参加しているとは言えません。議論して判断して結論を出すという、本来の会議を取り戻しました」

 

【5】個人用のパソコンは極力持ち歩かない

同社ではパソコンの個人所有を原則禁止し、5人に1台程度の共有パソコンを支給。予約制にした。その結果「社員たちは1日のほとんどを社外で過ごし、人と直接対話するようになりました」

 

IT断食開始当時、同社では、社員が社内でパソコンに向かって作業している時間と、外に出て人に会っている時間が1:1程度だったが、今では1:9だという。パソコンから極力遠ざかり、直接人とコミュニケーションを取ることがIT断食成功の鍵といえそうだ。