宝くじ当せん祈願で有名な、宝当神社(佐賀県唐津市高島)の参道にある土産物店「野崎酒店」にいるネコが、トータル当せん金14億円以上を招いた福ちゃんだ。

 

「福ちゃんは9年前、子ネコのときに店に現れ、そのまま居着きました。エサを上から投げるとキャッチする姿が、お祈りをしているように見えることから『お祈り福ちゃん』と呼ばれ、参拝客の人気者になったんです」(野崎酒店を営む野崎勇吉さん)

 

「福ちゃんをなでたら宝くじに当たった」という声が聞こえ始めたのは’07年ごろから。ある健康雑誌の記者が宝当神社を取材した際、宝くじを4枚購入し、福ちゃんをなでたところ、約100万円が当たったことがテレビで報じられ、全国的に話題となった。

 

「それから福ちゃんは『なでると当たる開運ネコ』として、参拝客の多くがなでていくようになりました。その中から、数十万円程度から4億円(’12年年末ジャンボ)まで、たくさんの当せん報告をいただいています」

 

野崎さんによると、福ちゃんはこれまでに8回、出産を経験している。’09年、福ちゃんが2回目の出産で3匹を産んだとき、ぜひその子を譲ってほしいと申し出たのが、愛知県新城市の「サークルK長篠店」オーナー・田中誠一さんだ。その子ネコは、「ぜひ3億円を出してほしい」という願いから、3億円福ちゃんと名付けられた。

 

翌年2月には、田中さんは3億円福ちゃんを夫婦にしようと、別の血統のメスを野崎酒店から譲り受け、幸(さち)ちゃんと命名。奇跡が起きたのは4カ月後だった。

 

「’10年のドリームジャンボで、当店から1等前後賞3億円が本当に出たんです。それ以後も’10年の年末ジャンボ、’11年の年末ジャンボ、’12年のドリームジャンボ、’13年のドリームジャンボと毎年、億の当せん金が出続けています」(田中さん)

さらに、’11年6月。3億円福ちゃんと幸ちゃんの間に4匹の子が生まれたとき、本誌は飼い主を募集。そのうちの1匹(メス)を譲り受けたのが、群馬県藤岡市で宝くじを販売する「茂木電気商会」だ。

 

「福ちゃんのパワーを大事にしたいので、うちも福ちゃんと名付けました。’12年の年末ジャンボで3等・100万円が出るなど、50万~100万円の当たりがコンスタントに出るようになって、次は億を期待してます」(茂木宏幸社長)

 

福ちゃんが来てすぐに茂木さんは、現在の奥さんと出会い結婚。’13年7月9日に長女が生まれた。くしくもその日は、福ちゃんを家に迎えた日だったという。また、福ちゃんといっしょに生まれた別の1匹は、新城市内の理髪店「チャレンジセブン」で、店の看板ネコになっている。

 

「店名とかけて福七と命名しました。お客さんが帰り支度すると、扉のところにちょこんと座って見送るんです。それを楽しみに来るネコ好きのお客さんが増えました」(オーナーの柳瀬昭広さん)

 

初代の福ちゃんから脈々と受け継がれる、生き招き猫伝説。つぎに奇跡を起こすのは、「福ちゃん一族」のどの福ちゃんだろうか?

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