「ビックリしたよ。『女性自身』に記事が出たとたん、問い合わせの電話が山ほどきてさ。営業時間のだいぶ前から、お客さんが店の外で並んでるんだよ」
こう話すのは、本誌が紹介した東京・吉祥寺にある老舗沖縄料理店「琉球」のママ(65)。ここは国内のみならず、世界中の聖地やパワースポットを巡礼するような“スピリチュアルのプロ”たちが全国から集まる不思議な店だ。いわく「ここの料理を食べると、エネルギーが得られる」と。また彼らは、ここを“人生を変える沖縄料理店”とも呼んでいる。
「注目してもらうのはありがたいんだけど。そうは言っても、私は占い師じゃないからね。お客さんには、あくまで料理を食べてもらって、それで、元気になってもらいたいんだよ。それでね、お客さんとの自然なやりとりのなかで、ふとしたときに、神様からのお告げが、ふわっと降りてくるからね。私はそれを伝えているだけなんだよ」
取材で店を訪れた記者も、腰痛をズバリ言い当てられ、痛みの原因は弱った腸にあると指摘された。それも、ママに言わせれば、神様がママを介して伝えてくれたことなのだという。そして、「これ、飲みなさい」と、ママは秘伝のイカスミ汁を供してくれたのだった。
「神様はね、必要に応じて私に力をくださるんだよね。そんなときは、たとえば、どこか悪いところがあるお客さんが店に来ていたりすると、私もその人と同じ体の箇所に、痛みが走るの。そのうえで、その痛みを取り除くための方法が、具体的にはそのお客さんにぴったりの料理が、私には思い浮かぶんだよ」
たしかに、記者も供されたイカスミ汁を飲んだ翌日には、おなかの調子もよくなり、腰の痛みもすっかり引いていた。ママの作る料理の、驚きのパワーを、記者も身をもって体験したわけだが、ママいわく「料理には特別なものは何も入ってないよ」という。
「強いて言うなら、うちの料理に入ってるのは“手油(ていーあんだー)”。手油っていうのは沖縄の言葉で、食べる人のことを心底思って、手間を惜しまず作られた、おいしい料理に入っているとされるもの。誰かを心から思う気持ち=神様の心だから。手油が入ってるってことは、神様の力をいただけるってことになるのかもしれないね」