「いま都心のマンションは、立地がよければ3億円でも5億円でも売れてしまいます。住宅格差は広がる一方で、中間層がいなくなっています」

 

こう話すのは、不動産コンサルタントの長嶋修さん。長嶋さんによると、いま、都心の超高級不動産を買っている人たちは、いくつかのタイプに分けられるという。まずひとつ目は、投資目的の外国人だ。

 

「香港やシンガポールの物件の価格は、日本の1.5〜2倍。これを賃貸に回すと、利回りは2%程度です。対して、日本では4%もの利回りが期待できます。また円安で、この1年で1億円の物件は、彼らにとって8千500万円くらいの価値に換算されるようになりました。まさに、絶好の投資チャンスになっているのです」

 

不動産バブルともいえるこの勢いについて、住宅評論家の櫻井幸雄さんもこう続ける。

 

「東京の不動産は、オリンピック誘致が決定した2年前から動きだし、’20年までまだ上がる見込みといわれています。過去にオリンピックを開催した都市では、軒並み不動産の価値が上がったという実績があり、それを見逃さない外国人投資家たちが群がっているという背景もあります」

 

2つ目は、相続税対策として購入する富裕層たち。

 

「資産が何十億もある層は、資産を現金ではなく不動産に変えると、相続税の評価額が下がります。それも一戸建てやマンションの低層階より、タワーマンションの高層階を買うほど、節税できる可能性が高くなります」(長嶋さん)

 

タワーマンションは高層階ほど、購入価格に比べて評価額が低くなる。一見、損に感じるが、その評価額をもとに相続税が算出されるので、相続税が下がるというメリットがあるのだ。

 

「ただし、税務当局には今、その解釈を見直そうという動きがあります。ある富裕層の方が、親が亡くなった途端にタワーマンションを売却したところ、認められなかったケースがあります」(長嶋さん)

 

また最近、増えているのが、地方の富裕層が購入するケース。これが3つ目のタイプで、彼らにとって都心の高級マンションは、メインで暮らすためのものではない。外国人投資家と同じように賃貸に回す場合もあるが、セカンドハウス目的で購入しているのだ。

 

「医者や弁護士のほか、地方都市に本社を置いているオーナー社長といった方も。地方のお金持ちは月に1〜2回、上京する用があるため、家がないと不便なので購入するわけです。彼らの多くが、家に300〜500キロもあるような、大きな金庫を設置しています。地元の家から持ってきた高級ジュエリーや腕時計などを日替わりでつけ替えて楽しむので、それをしまっておくためだそうです」(櫻井さん)

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