「最近、火山の噴火や地震が相次いでいます。5月29日に鹿児島県の口永良部島新岳が噴火。翌30日には小笠原諸島西方の深さ682キロでマグニチュード8.1の地震。さらに今月16日、長野県と群馬県境の浅間山が噴火するなど、不安が広がっています。自然災害には、避難の心構えなどさまざまな備えが必要ですが、経済的な備えについて考えてみましょう」

 

そう語るのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。まず、思い浮かぶのが保険。地震や津波、火山噴火の被害は、地震保険で補償される。地震保険は、火災保険などとは違った特徴がある。

 

【1】国と損害保険会社の共同運営のため、どの保険会社でも保険料や補償内容は同じ。

【2】単独では加入できず、火災保険にセットで加入できる。

【3】契約する保険金額は、火災保険金額の50%まで。

【4】支払われる保険金は、住宅被害の程度によって決まる。

 

「たとえば火災保険で2千万円の建物は、地震保険では1千万円まで。保険金は全損で1千万円、半損では500万円、一部損なら50万円です。つまり地震保険の保険金だけでは、家の再建は難しいのです。被災後の生活を立て直すための資金と考えましょう。地震保険の保険料は、地域と建物の構造とで決まります。保険金額1千万円に対する年間保険料は、東京都の木造なら3万2千600円で、鉄骨造などでは2万200円。木造でも、地震の危険性が低い日本海側なら、年1万600円という地域もあり、住宅の耐震性能による割引もあります」

 

保険料を安く抑えるには、長期契約がお勧め。最長の5年契約なら、保険料は4.45年分で済み、11%割安だ。地震保険の保険料は、所得税控除も受けられる。実は今、地震保険の改定が検討されており、来年秋以降に、保険料を19%引き上げる案が有力。これは、南海トラフ地震など巨大地震に備えての改定だという。

 

「ただ、自然災害に対する経済的な備えは、保険以外でも可能です。被災時に生活を立て直す資金を、自分で積み立てておけばよいのです。問題は、あまり預貯金のない状態から積み立て始めてすぐ被災した場合、対応できないこと。反対に、目標額をクリアした後は、自然災害用に維持管理するだけになります」

 

加えて地震保険は掛け捨てなので、災害への備えでしかないが、預貯金ならまさかの事態には違う目的のために使うこともできる。

 

「大切なのは、それぞれの家庭で必要な資金額を設定し、地震保険か、預貯金かを、よく検討し決めることです。持ち家か賃貸か、住宅ローンの残高や今の預貯金額などによって、判断が変わるでしょう」

関連タグ: