「なんとなく怖い」「無駄遣いが増えそう」と、敬遠している人も多い電子マネー。だが、使う金額を設定できる“先払い式”なので、とても節約に向いているそう。さらに生活習慣に合わせたカードを選べば、効率的にポイントを貯めることができるお得なシステムだという。
「よく電子マネーは現金と比べて支払うときの痛みがないから節約には不向きという声を聞きます。それはちょっと違います。今回紹介する現金を自分でチャージする先払い式の電子マネーはチャージするときに痛みを伴うし、入れただけしか使えないから無駄遣い制限もかかる。使ってみると、これほど節約に向いたシステムはないと思います」
こう話すのは、日本初の電子マネー「Edy」(楽天Edyの前身)がサービスを開始した’01年から、電子マネーを利用している家事アドバイザーの矢野きくのさん。
「電子マネーを使った節約は、(1)使用額を自分で設定し守ることで家計をスモール化する、(2)電子マネーを使って付与されるポイントによる節約の2つが同時にできる点が大きなメリットです」
そこで、今回は普及が進んでいる4大電子マネーを例に、矢野さんが生活習慣にあったカードの選び方を解説してくれた。
【WAON】
イオンが発行するイオングループに特化した電子マネー。
「イオングループ以外にローソンやファミリーマートでも使え、どこで使った場合でも200円で1ポイント付与。コンビニではPontaやTポイントを提示して両方にポイントが付与される2重どりが可能です」(矢野さん・以下同)
さらにイオンの店頭に空きペットボトル5本を持参すると1ポイントなど、さまざまなポイント付加のルールがあり、イオンを生活の中心にしている主婦にピッタリだ。
【nanaco】
セブン&アイが発行する電子マネー。同グループ会社で使うと100円で1ポイントが付与されるのが特徴だ。
「イトーヨーカドーやヨークマートなどのスーパーでは8の付く日に商品5%オフやポイント倍付けを実施。近所のグループ店のチラシをくまなく確認することで、効率よくポイントを貯められます」
またグループのそごう、西武百貨店での買い物では百貨店のカードと両方にポイントが付く。さらに化粧品などではメーカーのポイントはまた別に付けられるため、なんとポイント3重どりも可能。
「基本ポイントは100円で1ポイントと他社の2倍ですが、セブン&アイグループ以外の店舗(マクドナルドやデニーズなど)では200円で1ポイントになるなど、細かなルールを把握して賢く使うことが節約に直結します」
【楽天Edy】
日本でもっとも歴史のある電子マネー。ほとんどのコンビニで使え、使った場合は必ず200円につき1ポイントの楽天ポイントが付与される。
「ローソンではPonta、ファミリーマートではTポイントカードを提示することで両方にポイントが付く2重どりが可能。ほかに楽天市場の買い物で付与されたポイントも電子マネーに変換できるので、日常的に楽天を使っている人にはメリットが大きい」
【Suica】
4つのなかで、唯一IC乗車券機能を持つ電子マネー。
「これ1枚で全国の鉄道網に乗れるほか、支払いができるショップやサービスの提携先も急速に拡大。ただしポイントが付くのは限定されたJRE加盟店(JR東日本の駅ナカショップなど)のみ。鉄道運賃や加盟店以外での支払いにはポイントは付きません」
首都圏の駅ナカをよく利用する人にメリットが大きい電子マネーと言えそうだ。
このように、大手4社で支払いできるショップやポイントルールが大きく異なる。
「例を挙げだしたら切りがないほど各社で細則があるので、どれが自分の生活範囲で使え、ポイントバックできるかを把握することがなにより大事。自分がスーパー派かコンビニ派か駅ナカ派かなど、その人のライフスタイルで決まってくる。自分の買い物先でいちばんポイントが貯まる電子マネーがあなたにとっていちばん得なカードなんです」
あなたも電子マネー節約生活にトライしてみませんか?