5月14日に死体遺棄と損壊の疑いで小林遼容疑者(23)が逮捕された後も、現地は緊迫感に包まれている。被害者・大桃珠生さん一家が暮らしている一戸建ての周囲には黄色い規制線が張られたままだ。

 

もともと大桃一家は、線路の反対側にあるアパートで生活していた。瀟洒な洋風の一軒家を新築したのは一昨年。珠生さんが小学校に入学する数カ月前のことだった。

 

「お子さんたちも大きくなってきたので、こちらに引っ越してきたのでしょう。珠生ちゃんも、新しいお家をすごく気に入っていたようでした」(近所の主婦)

 

しかし、そんな“希望に満ちていたマイホーム”から、わずか100メートルほどの近くで暮らしていたのが小林遼容疑者だったのだ。彼の自宅の周囲にも、大桃家と同様に規制線が張られている。

 

珠生さんと同じ小針小学校の卒業生である小林容疑者は、近隣にある電気工事関連会社に勤めていた。近所の評判も、会社での評判も決して悪くはなかった。だが容疑者は“隠された一面”も持っていた。珠生さんの事件の前にも、別の事件も起こしていたのだ。

 

「女子中学生を連れ回したことで、4月9日に上越署が青少年保護育成条例違反などで書類送検したのです。新潟県警が小林容疑者にいち早く目をつけたのも、この件があったためです。しかし地元の住民たちの間では『連れ回し事件が公になっていれば、珠生ちゃんは犠牲にならずに済んだのではないか』という声も上がっています」(地元紙記者)

 

勤め先の社長も、書類送検は容疑者逮捕後に知ったと語っている。それどころか容疑者の家族すら、書類送検のことは知らない様子だったという。

 

「珠生ちゃんの事件が起こった数日後に(容疑者の)母親にスーパーで会ったのですが、『嫌な事件ですね。早く犯人が捕まればいいのですけど』と言っていました。まさか自分の息子が関わっているとは、想像もしていなかったのでしょうか……」(別の小林家の知人)

 

元警視庁刑事で防犯コンサルタントの吉川祐二さんは言う。

 

「確かに女子中学生を連れまわした件で小林容疑者が逮捕されていれば、今回の悲劇は起こらなかったかもしれません。しかし、新潟県警が“逮捕案件ではない”と、判断する何かしらの理由があったのだと思います。実は女児の連れ回しや、女児へのわいせつといった犯罪は、一般の方が想像している以上に頻発しており、逮捕に至らないケースもかなり多いのです。ただ、逮捕にいたらなかったとしても、身元引受人となる親や保護者には、事情を説明し、監督をお願いすることがほとんどです。小林容疑者の親が、息子が書類送検されていたことを知らなかったということについては、私は疑問を感じています」

 

5月16日、珠生さんの遺族は新潟県警を通じて、次のようなコメントを発表した。

 

《私たち家族は、大切な存在である娘を今回の思いがけない出来事で失い、悲しみの中におります。この状況を受け止めることは難しく、また、犯人が捕まったとしても娘が戻ってくることはありません。今は、一日も早く地域の方々や私たち家族が穏やかな生活を取り戻せることを願うばかりです》

 

たとえ事件の全容が解明されても、残された家族の涙が止まることはない。

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