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入院中の高齢患者たちが相次いで5人死亡――。そんな衝撃のニュースが世間を騒がせている。問題となっているのは、岐阜県にある「Y&M 藤掛第一病院」。8月20日、病院本館3・4階のエアコンが故障。猛暑のなか、26~28日までに80代入院患者5人が死亡した。うち4人は、故障後も冷房の効かない部屋に放置され続けていたという。司法解剖の結果、一部からは熱中症の所見が認められたと報じられている。

 

いっぽう病院側は患者について病死と判断。死亡とエアコン故障の因果関係を否定している。院長の藤掛陽生氏は「部屋には扇風機を出した」と説明。ときおり笑みを見せながら「患者さんのなかには『暑い部屋がいい』という方もいるので残ってもらっていた。病院として問題があったとは考えていません」と答えていた。

 

「先代の院長が早くから老人医療に目をつけ専門病院として特化していき、80年には旧館の向かいに本館を建設。それでも入所は順番待ちになるほどでした。しかし、二代目の現院長になると雲行きに変化が。99年には、本館の裏手に新館を建設。最初こそ患者でいっぱいになっていましたが、ここ5年は使われていない状態でした」(近所の住民)

 

その新館の前には、ある気になるものが……。

 

「新館の前に犬小屋みたいなものがポツンと建っているんです。工事にかかわった人が『なんか変なもんを作らされたんや』とぼやいていました。なんでも夫妻が風水に凝っていたようで、その一環だったようです……」(別の近所の住民)

 

病院の窮状を象徴するような「風水経営」。警察は殺人容疑を視野に捜査しているというが、立件できるのだろうか。元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士はこう語る。

 

「殺人罪で立件できる可能性はほぼ0%だと思います。ただ業務上過失致死になる可能性は極めて高いでしょう。患者が『エアコンが嫌いだからこの部屋がいい』と言い、院長がそれに従ったとしましょう。しかし医学的見地から見ても、明らかに部屋を移すべきだったのではないでしょうか。いっぽう何人かの患者をエアコンのある部屋に移していたということは、院長が部屋にいる危険性を認識していたということ。つまり、話が自己矛盾しているんです。過失の度合いは大きいと思いますし、それを自ら認める発言だと思います」

 

灼熱の病室に放置され亡くなった患者たち。その無念を病院は真に受け止めるべきだ。

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