「すべて国民のために、一致協力して新しい国を造ろう」

 

石破茂元幹事長(61)に国会議員票で圧倒的な差をつけ総裁選(9月20日投開票)を制し、そう語った安倍晋三首相(63)。

 

東京五輪、高齢者問題、そして憲法改正……任期を満了する’21年9月までの3年間で、安倍首相が抱える問題は山積みと言っていいのだが、投開票後の会見では、「すべて解決します」と言わんばかりの自信に満ちた笑みを、報道陣に向けた。

 

しかし、今回本誌が専門家たちに、3年間の安倍政権で何が起こるかと聞いてみると、私たち国民にとっては笑顔も引きつるような負担が、この先待ち受けているのだった――。

 

【景気】消費税増税の直前“だけ”好景気がやってくる!

 

大規模な金融緩和と財政出動を軸としたアベノミクスによって生まれた円安ドル高は輸出企業に“利益”をもたらし、株価は上がり、安倍首相はその成果をアピールしている。しかし、経済ジャーナリストの須田慎一郎さんはこの金融政策についてこう指摘する。

 

「アベノミクスの利益を享受できたのは一部の大企業だけで、圧倒的多数の中小企業や零細企業は取り残され、給与が全く上がっていません」

 

経済産業省の元官僚である古賀茂明さんも「決して豊かになっていない」と話す。

 

「実質賃金も’12年で4%ほどダウンしていますし、国民の7~8割の人が『好景気を実感できない』と感じている。政権続投後も、アベノミクスは続きますが、じわじわと物価が上昇していく傾向にあるのに、賃金はたいして上がらないのではないでしょうか」

 

にもかかわらず、来年10月には、消費税10%への引き上げが“ほぼ確実に”行われるという。

 

「世論の反発などを懸念して、増税自体を再検討するという憶測もありますが、安倍首相にとって最後の任期ですし、増税を前提に始まった教育無償化への政策もあるので、先延ばしにはしないでしょう」(須田さん)

 

’19年5月の新天皇即位に加え、増税直前に自動車、住宅などを購入しようとする“駆込み需要”により、増税前に“好景気”を迎えるかもしれない。

 

しかし、家計の負担増は国民全体で2.2兆円にも達すると試算されている消費税増税により、景気にも陰りが見えはじめる。そして’20年には、インフラの整備など大規模の予算が組まれている、「東京オリンピック」があるが……。

 

「一大イベントが終わってしまうと、消費の冷え込みに拍車をかけることになるでしょう。さらに、検討中のパート主婦の厚生年金への加入条件拡大も追い打ちとなりえます。厚生年金は企業が半分を負担するため、中小企業や零細企業にまで拡大されれば、人を雇うコストが増えて経営が苦しくなる企業が出るのです」(古賀さん)

 

しかも、安倍首相はいまの景気を維持している金融緩和を「ずっとは続けられない」と明言している。そのときの“最悪のケース”について古賀さんが語る。

 

「おそらく任期最後の’21年には具体案を発表すると思いますが、金融緩和を縮小すると、急激な金利上昇を招く可能性があります。変動金利で住宅ローンを支払っている人は要注意。高すぎる返済金を支払うことができず、“ローン破産者”が急増することが考えられます」

 

安倍政権のこれからの3年は、日本を大不況に陥れる“危険因子”が散らばっているのだ。