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「特に、高齢の方や、基礎疾患をお持ちの方については、人ごみの多いところはできれば避けていただくなど、感染予防にご注意をいただくよう、お願いいたします」

 

2月14日に開催された「新型コロナウイルス感染症対策本部(第9回)」でこう語った安倍晋三首相(65)。新型コロナウイルスによる国内初の死亡例が出た翌日、しかも9回を重ねた「対策本部」の会議においてのこの発言に、ツイッター上では呆れ声が……。

 

《安倍首相、満を持して新型コロナ対策を発表!!「人ごみを避けて下さい。」》
《具体的な方法論はないんだな 国民は籠城して暮らせる前提なんかな》
《東京で人混みを避けて仕事に行ける方法を教えて欲しい》

 

さらに、この日、感染症の専門家を構成員とする「専門家会議」の設置も発表。これに対しても辛らつな意見が相次いだ。

 

《専門家のいない会議を9回も開いていたのか》
《逆に聞きたいんだけど今まで感染症の専門家を呼ばずにどう対策しようとしてたんだ?》

 

いま安倍首相の新型コロナウイルス対策について、批判が相次いでいる。国内で初めて新型コロナウイルスによる肺炎患者が確認されたのは1月15日のこと。1月21日と24日に関係閣僚会議を行ったものの、内閣に安倍首相を本部長とする「新型コロナウイルス感染症対策本部」が設置されたのは1月30日になってからだった。

 

以降、「新型コロナウイルス感染症対策本部」は2月16日までに計10回の会議を開いている。会議で発言する安倍首相の姿が頻繁にテレビに映し出されていたので、しっかりとした会議が行われていたと、多くの人は思っているかもしれないが……。

 

「1回の会議時間は10分から15分ほど。何かを議論して決める場というより、出席した閣僚や官僚が用意したペーパーを読み上げるだけ。そして安倍首相がペーパーを読む姿をマスコミのカメラに撮らせる場になっていました」(全国紙記者)

 

実際、各メディアの報道をもとに10回の「新型コロナウイルス感染症対策本部」会議への安倍首相の出席時間を計算してみたところ、合計119分。1回あたりの平均は11.9分だった。もちろん、長い会議をすればいいという訳ではないし、会議外でも加藤勝信厚労大臣(64)や官僚などと打ち合わせはしているのだが……国内でウイルスが蔓延しつつある現状を見ると、外国人渡航者の入国制限や検査体制の整備などについて、もっと議論してほしかったと思う国民はたくさんいるのではないだろうか。

 

会議への出席時間は確保できないほど、忙しい安倍首相だが、会合への出席時間は確保できているようだ。第2回と第3回の会議が行われた1月31日には、防衛大学校校長や政策研究大学院大学長らと公邸で2時間20分にわたって会食を行った。一方、会議の出席時間はそれぞれ11分と10分。

 

さらに、第4回の会議(安倍首相の出席時間11分)が行われた2月1日には、都内のホテルで行われた成蹊学園卒業生ら主催の「安倍晋三さん衆議院議員在職25周年を祝う会」に2時間8分にわたって出席。第7回の会議(出席時間14分)が行われた2月12日には元官僚と政治評論家と2時間4分にわたって公邸で会食。

 

第8回の会議(出席時間16分)が行われた2月13日には、都内のホテル開催された自らの後援会の会合に26分にわたって出席したのち、自民党の若手の懇親会に53分間出席した。そして、第9回の会議(出席時間9分)が行われた2月14日には都内のホテルで日経新聞会長らと2時間48分にわたって会食を行っている。

 

「新型コロナウイルス感染症対策本部」の会議開催日に、会合に費やした時間は計639分。会議の合計出席時間119分とは大きな違いだ。ちなみに、2月16日の午後5時から伝染病の専門家を集めた「専門家会議」がついに開催されたが、安倍首相は冒頭3分ほど挨拶しただけで私邸に帰っている。もう対策は専門家に丸投げしてしまったということなのか……。

 

“会議は踊る、されど進まず”というのも考えものだが、わずか10分ほどでは“踊る”こともなさそうだ。

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