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「混雑緩和のため、時差通勤やテレワークなどの取り組みを行ってくださいますようにご協力をお願いいたします」

 

午前8時代、都心を走る地下鉄の満員になっている車内でこんなアナウンスが流れると、乗客たちの顔がいっせいに険しくなったように見えた。政府の働きかけで2月25日から始まった、駅構内や電車内での時差通勤やテレワークなどの実施を要請するアナウンス。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、満員電車の混雑を少しでも緩和しようという試みだが、ツイッター上ではこんな声が……。

 

《今、電車の中で国交省と厚労省からのお願いってことで「テレワークや時差出勤のお願い」がアナウンスされたけど、この時間帯の満員電車にそれを自分で決められる人は乗ってないんだわ》
《労働者は、好きで満員電車に乗ってる訳じゃない》

 

いま、安倍政権の新型コロナウイルス対策への批判が高まっている。感染拡大を防ぐ目的で政府はさまざまな施策を行ったが、そのことごとくが“要請”という形だ。2月26日の新型コロナウイルス感染症対策本部の会議での安倍晋三首相(65)は以下のように述べた。

 

「多数の方が集まるような、全国的なスポーツ、文化イベント等については、今後2週間は、中止、延期、規模縮小等の対応を“要請”することといたします」

 

さらに翌27日の会議ではこう述べる。

 

「全国すべての小学校、中学校、高等学校、特別支援学校について、3月2日から春休みまで、臨時休業を行うように“要請”します」

 

事前の調整もなく、唐突に出された“休校要請”に、子供を持つ親や教育現場の間で混乱が広がった。

 

《学校が休校になったら、子供の面倒みなきゃいけなくて仕事できない》
《シンママのパートさんが泣きながら電話してきた。 学校が休校になったら子供の預け先が全くないけど、仕事を休んだら生活が出来なくなるから助けて欲しいって》
《今も職員室の電話が鳴り止まないけどとりません。とれません。ごめんなさい。こちらもどうなるかわからないんです。保護者の皆さん、学校に電話しないでください。保護者の皆さんと同じです。私たちもさっきニュースで知ったんです》

 

政府は休業補償を検討しているというが、2月28日時点では何ら具体的な方策は示されず……。それどころか具体策についてたずねた新聞記者に対し、麻生太郎財務大臣(79)は「つまんないこと聞くねえ」と言い放った。相次ぐ政府の“要請”に、ツイッター上ではこんな声があがっている。

 

《責任は嫌だから命令はしないが要請はした、あとは自治体や個人が自己責任で判断して、、、というズルい頭いい人達の苦肉の策》
《結局「要請」でありあくまでも地元自治体が決めろ。判断を委ねるとは実際丸投げと同じ。体のいいことを言いながら自分たちは対応していたとのアリバイ作りなんだよな》

 

本来、責を負うべきものたちが、「要請」という言葉の陰に隠れて、決断を他者に委ねることも、責任を放棄することも許されてはならない。

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