Tさんが宿泊した部屋。入居者が増えると騒音問題も発生。 画像を見る

新型コロナウイルスに感染した軽症の患者は、現在ホテルなどでの宿泊療養が基本となっている。入居した場合、一体どのように過ごすのか。東京都の場合を実際に療養していた体験者が生の声でレポートする。

 

現在、東京都が宿泊療養のために用意しているのが都内5カ所のホテル。宿泊療養にはA:入院中の医療機関から移行する場合、B:医師から入院が必要でないと判断され療養する場合の2パターンがある。

 

「症状は40度ぐらいの発熱のみで、せきも味覚障害もなかったので、検査で『陽性』と言われたときは驚きました」

 

そう話すTさん(40代・男性)は病院から宿泊施設へ移ったAパターン。3月下旬に発症し、4月1日に入院、16日から5月1日まで宿泊療養となった。

 

「部屋から出られるのは1日3回食事をロビーへ取りに行くときと検査のときだけで、あとは部屋でスマホ、テレビ、寝ているのみでした。パソコンがあれば仕事もできたのでよかったんですけど」

 

Tさんのホテル滞在時は差し入れが認められておらず、着の身着のままで入院したTさんがホテルに持ち込んだのはスマホくらいだった。

 

「狭い部屋で過ごすのはかなりのストレスでした。スマホでLINEやZOOMができたので多少解消できましたが……」

 

ある日患者の誰かがエレベーター内に『LINEのオープンチャットを作りました。情報交換しませんか』という張り紙をし、そこから患者同士の交流が始まったそう。「一緒に闘っているんだという支えになりました」と話す。現在は療養期間中のケアの重要性を感じている。

 

「滞在日数、準備したほうがいいもの、ストレス解消法といったマニュアルのようなものは作ろうと思っています。情報があると心の準備が違いますし」

 

女性の場合、シャンプーや化粧水、生理用品などいつも使用しているものがあれば持参したほうがよさそうとのこと。

 

「療養生活は、PCR検査で2回陰性が出るまで出られないという、終わりの見えなさがとにかく精神的につらかった。もう二度とかかりたくないですね」

 

「女性自身」2020年5月26日号 掲載

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