アンケートでも《常勤有給医がCOVID-19対応にあたる原則はありますが、近年の大幅な人員削減により、無給医、大学院生、研修医がいないと診療が全く成り立たない科もあります》との回答がある。

 

「研修医は病院という組織ではいちばん“下っ端”ということもあり、不十分な報酬でも言われるがままに働かざるをえないのが実情です」(植山さん)

 

緊急事態宣言が解かれ、街にも徐々に人出が戻りつつある。

 

しかしアンケートには《感染拡大をやむなしとして、経済活動を再開したいのであればCOVID-19に罹患しても病院に来ないでほしい》という厳しい意見も。それほど、現場は“もう限界”という状況なのだ。

 

植山さんは、一刻も早い医療体制の整備を訴える。

 

「経済活動は大事です。どこかのタイミングで再開させないといけないでしょう。ただ、いまは病院も、病院をサポートする役割の保健所も、疲弊しきっています。第2波での被害を最小限に抑えるためにも、医療体制の整備と、医療機関への手厚い支援が求められると思います」

 

私たちの命を守ってくれている最前線の医師たちの悲鳴に、耳を塞いではならない――。

 

「女性自身」2020年6月16日号 掲載

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