「無症状の人が実際にどれぐらいいるかわかりませんが、かなりいるとは思います。7月2日の都内の感染者107人も、軽症者ばかりで重症者はいませんよね。やはり、無症状の人が気づかないうちに感染を拡大させてしまう可能性はあると思います」

 

無自覚な感染拡大を防ぐうえで欠かせないのが、検査によって自身の状態を知ること。しかし、PCR検査は症状が現れなければ受けられないところがほとんどだ。

 

そこで、注目を集めているのが過去の感染や、感染初期段階かどうかも判別できる抗体検査だ。感染の有無をはっきりさせるのに役立つと筋野先生は続ける。

 

「濃厚接触者でありながら無症状でPCR検査を受けられない人でも、抗体検査で感染がわかって隔離できれば、人への感染を防げます。感染初期の場合、まだ人にうつす可能性もあるので、うちの病院では陽性の患者さんには最低5日の自宅待機をお願いしています」

 

しかし、抗体の検出が可能になるのは感染してから約1週間後。抗体を持っていることがわかったときにはすでにほかの人にうつしている可能性もあり、決して万能ではない。

 

「また抗体を持っていても、いつ消えるかわかりません。“抗体があるからマスクはいらない”といった考えはやめてください」(筋野先生)

 

第1波では、世界から感染者の抑え込みに成功したと評価された日本。しかし、本当の正念場はここからのようだ――。

 

「女性自身」2020年7月21日号 掲載

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