感情に任せて離婚すると陥ってしまうお金の不安。だが、この人に習って生活様式を革新すれば、大丈夫かも……。新型コロナで始まる年収200万円時代を生き抜くための新習慣ーー。
「17年前の’03年に『年収300万円時代を生き抜く経済学』を出版したとき“荒唐無稽”“不安を煽っている”と、たたかれました。しかし、いまや年収200万〜300万円の世帯がもっとも多くなっている。すでに年収300万円時代になっているのです」
そう語るのは経済アナリストの森永卓郎さん(63)。
厚生労働省「国民生活基礎調査」によると、’03年に年間の所得が300万円未満の世帯は全世帯の28.8%だったが、’18年には32.6%までに増加。3世帯に1世帯が年収200万円台か、それ以下なのだ。所得200万円以下の世帯は17.5%から19%に増加している。
森永さんは今年7月に『年収200万円でもたのしく暮らせます』(PHP研究所)を緊急出版した。わずか17年で書籍の表題が年収100万円も下がっていることがネット上などで話題になったが、“コロナ恐慌”によって予想をはるかに上回る不景気が日本に襲いかかるからだという。
「もともと昨秋の消費税増税によって、消費は冷え込んでいました。そこに、新型コロナウイルスが追い打ちをかけたのです」
経済政策は期待できない。
「景気対策として、もっとも効果的で効率的な方法は、特定の企業に中抜きされず、国民に直接恩恵がある消費税の減税です。仮に1年間、消費税を0%にする場合、28兆円の予算が必要ですが、補正予算は57兆円なので、十分賄えます。なのに、Go Toキャンペーンなどに予算を消費している。今後、日本経済が浮上し、年収が上がるとは思えません」
あまりに絶望的な状況に思えるが、必ずしも悲観することはないと、森永さんは言う。
「金銭感覚を一新して、新たな生活習慣を身につけましょう。年収200万円でも、十分生活できるし、お金の不安からも解放されて幸せに暮らせるんです」
森永さんがすすめる、年収200万円時代の新ルールは次の6つだ。
【1】安く買える食材から献立を逆算しよう
【2】子どもの成人を機に生命保険を見直そう
【3】スマホのクーポンを活用する
【4】投資より優待で株を買う
【5】生活費の安い都会と田舎の真ん中にある“トカイナカ”に移住
【6】趣味をみつける
「趣味で収入を得ることは困難ですが、人生の幅をもたせてくれます。園芸でもボランティアでも、お金のかからない趣味を、一つでも多く持つことが大事です」(森永さん)
コロナ禍で広がる収入への不安。でも、ちょっとの工夫と意識改革で、年収200万円でも、十分、幸せに生活できるのだ。
「女性自身」2020年8月18日・25日合併号 掲載