2月17日、医療従事者の接種を受ける様子が公開された 画像を見る

「高齢者はたとえばインフルエンザワクチンを接種しても、予防効果が一般的な成人と比べて低いといわれています。理由は、加齢とともに免疫細胞が弱まっているから。そのため、抗体を作る力が落ちてしまっているのです。

 

新型コロナのワクチンでも同じです。免疫細胞が弱ったままだと、ウイルスに対抗する強い抗体を作ることができません。しっかりとワクチンの効果を出すためにも、今から免疫力を高めておくことが重要といえるでしょう」

 

こう語るのは国産ワクチン開発の第一人者でもある、大阪大学大学院の森下竜一寄付講座教授だ。

 

2月17日から国内でも新型コロナウイルスのワクチン接種が始まった。まずは医療従事者から接種が始まり、4月からは65歳以上の高齢者が対象となる。

 

そんななか、森下教授は「ワクチンの効果を高めるためにも、高齢な方々は特に今のうちから免疫力を高めておくべき」だと訴えたいという。

 

そもそも、免疫力とは何なのか。教授はこう解説する。

 

「簡単に言うと、体内にある免疫細胞たちの力です。

 

免疫には自然免疫と獲得免疫があります。自然免疫には、NK細胞などと呼ばれるものがあります。ウイルスが侵入するとすぐ食べにきてくれる、警察のような存在です。いっぽうで獲得免疫には、ヘルパーT細胞などがあります。こちらは一度体内に入ってきたウイルスを覚え、抗体を作って攻撃してくれます。

 

しかし先ほど申し上げたとおり、体を守ってくれる免疫細胞たちは年齢とともに弱まっていきます。そうして、体の免疫力も落ちてしまうんです」

 

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