CDCも“最大の経路”と認めた…空気感染のリスク高める3つの状況
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■最も注意すべき感染経路は空気感染

 

このなかでも《エアロゾル感染が最も注意すべき感染経路である》と見解を見直したのだ。感染制御学を専門とする愛知県立大学の清水宣明教授は、こう解説する。

 

「感染経路のメインを空気感染に据えたということです。CDCの言うエアロゾル感染は空気感染と同じ。そもそもエアロゾルは物理学用語。ふわふわと浮かぶ微粒子のことで医学用語ではありません。従来は飛沫感染と接触感染が主な経路だと主張していましたが、昨年10月に空気感染を少し認め、今回、ついに最大の感染経路だと認めたのです。インドもイギリスも感染力の強い変異株に置き換わりました。空気感染しなければ、ここまで感染が広がることは考えられません」

 

CDCは、感染者が15分以上、換気の悪い閉鎖空間などに滞在した場合、6フィート(約2m)以上離れた場所でも感染リスクがあること。さらに感染者が退出した直後の空間を通過しただけでも感染リスクがあると指摘している。清水教授が続ける。

 

「飛沫感染と違い、感染者の呼吸で吐き出されたウイルスが換気されない限り漂い続けるので、その人がいなくなっても、その空気を吸い込めば感染するということです。たばこの煙と同じです。煙モクモクの喫煙室を想像するとわかりやすいです。物の表面とかではなく“空間の汚染”という認識を持たなければいけません」

 

CDCは感染リスクが高まる3つの状況を挙げている。

 

(1)換気が不十分な閉鎖空間。口や鼻から出たエアロゾルの濃度が高くなりやすくなるため。
(2)運動、歌を歌う、叫ぶといった行為。吐き出される息の量が多いので、エアロゾルの量が増える。
(3)前記2つの状況にある屋内空間での滞在時間が長い。特に15分以上滞在すると感染リスクが高まる。

 

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