「黒塗りでは終わらせない」ファイル公開に赤木さん妻語る決意
画像を見る 5月末、本誌編集部を訪れた赤木雅子さんは「夫が資料を改ざんすることになった具体的な経緯を明らかにしたい」と語っていた

 

■的中した雅子さんの懸念

 

この日の弁論の最後に、雅子さんは背筋を伸ばし思いを述べた。

 

「赤木ファイルを見て、手書きの文字が夫の字だとすぐにわかりました。夫が苦しい立場に追い込まれながら、赤木ファイルを作ってメモを残してくれたのだと思うと、涙が出そうになりました」

 

雅子さんの知らなかった事実もたくさん記載されていたという。

 

「夫が、具体的な説明もなしに、改ざんに反対をしても、一方的に改ざんを指示されて苦しんでいたことが、わかりました」

 

当時の俊夫さんの様子を、雅子さんはこう語っていた。

 

「’17年に問題が発覚してからは、次第に夫から笑顔が消え、心療内科に通うようになりました。テレビで森友問題のニュースが流れても、何も聞けませんでした」

 

いつも隣にいて、どんな話題も笑いに変わる夫婦だったのに、会話が極端に減ってしまったという。

 

ファイルの開示により、ようやく当時の夫の心の内を知ることができたが、まだ納得できないところがあると雅子さんは語る。

 

この日に公開されたファイルは、所々が黒く塗りつぶされている。その部分はほとんどが、財務省理財局や近畿財務局の職員名と思われる箇所。約400カ所もの“黒塗り”は、改ざんが「誰からの指示」だったのかを隠し続けているのだ。雅子さんはこの裁判の前に、「黒塗りだけはやめてほしい」と本誌に不安を漏らしていたが、その懸念が的中する形となった。

 

さらに、麻生太郎財務大臣(80)はファイルが証拠として提出された際「再調査は考えていない」と即座に発言。国は幕引きを図ろうとしているようにみえる。なぜ国は、この事件を一刻も早く「なかったこと」にしようとしているのか。

 

裁判後の夕刻、疲れた表情ながらも、雅子さんは本誌に決意を語ってくれた。

 

「トッちゃんの、つらかった思いは、私が受け取りました。すべての黒塗りがなくなり、真相が明らかになるまで、最後までやり抜きます」

【関連画像】

関連カテゴリー: