■課外活動は学校ほど感染対策が徹底されず
森内先生も休校によるリスクを次のように語る。
「親が安心して仕事を休むことができ、なおかつ経済的な補填(ほてん)があるなどの態勢が整っていれば、学校閉鎖をして感染拡大を抑える効果があるでしょう。しかし、学校が休みになっても、親が経済的に困窮することから会社を休めないような今の実情では、子どもは朝から夕方までやっている学習塾や学童保育に行くことになります。そこは学校とは違い、密になりやすく換気も悪い環境であることが多く、しかも大人の目が届きにくい。そこから感染が広がる恐れがあるのです」
森内先生はさらにこう続ける。
「たとえば学校では、児童・生徒も教員も毎朝体調チェックを行い、気になる変化があれば休むことができます。それによりクラスターの発生をある程度抑えることが可能です。ところが学習塾の場合は学生のアルバイトも多いなど、症状があったとしても、休まずに子どもの前に出てきてしまう例もありました。学校がない夏休み中に集団感染が発生したのは、主に学童保育や学習塾。学校よりも、放課後のクラスターが危惧されるのです」
8月中に起こった、学習塾や学童保育での主なクラスターは次のとおり。子どもの感染者が増加するなか、いっそうの警戒が求められる。
【学童保育、学習塾で発生したクラスターの事例】
■報道・発表日:8月4日/所在地:兵庫県加東市/施設:学童保育/児童・生徒の感染者数:21人
■報道・発表日:8月4日/所在地:静岡県浜松市/施設:学習塾/児童・生徒の感染者数:17人
■報道・発表日:8月7日/所在地:千葉県船橋市/施設:学習塾/児童・生徒の感染者数:96人
■報道・発表日:8月17日/所在地:熊本県熊本市/施設:学童保育/児童・生徒の感染者数:10人
■報道・発表日:8月18日/所在地:千葉県松戸市/施設:学童保育/児童・生徒の感染者数:13人
■報道・発表日:8月25日/所在地:鹿児島県薩摩川内市/施設:学童保育/児童・生徒の感染者数:12人
■報道・発表日:8月26日/所在地:三重県伊賀市/施設:学童保育/児童・生徒の感染者数:11人
また、子どもが感染した場合、症状が出ることが少ないから注意が必要だ。