東京五輪・パラリンピックの夏がついに終幕した。スタート前から問題続出だったが、開催中に生じたのが弁当の大量廃棄問題だった。
大会組織員会は7月3日~8月3日までの間だけでも、ボランティアやスタッフ向けに準備していた弁当など、約13万食が廃棄されていたと発表。組織員会はその原因を「無観客でボランティアの人数が減ったため」「時間に追われ弁当を食べなかったスタッフらが多くいた」などと回答し、発注量の管理の改善に取り組むことになった。
しかし、五輪・パラリンピック両大会にボランティアとして参加した女性Aさんは「原因は発注ミスだけじゃありません。このお弁当が本当に不評だったんです」と、明かす。
「一度食べてみればわかるんですが、しょっぱくてマズいのですよ。その結果、お弁当を持参してきたり、外に食べに出たりするスタッフやボランティアが続出していました。私が見たどこの会場でも、お弁当は余っていました」
無料の弁当が支給されるというのに、それを断って多くの人が自腹で外食したことからもその不人気ぶりが伝わってくる。
「(パラリンピックでボランティアを務めた)最終日には、余ったお弁当をもらって帰ったんです。ハンバーグ弁当を夫にあげたところ、『しょっぱ! 昭和の弁当みたい…。これは残す気持分かるわ』と、驚いてました。あまりに塩辛いから成分表示を見てみたら、なんと《食塩相当量6.0g》と、記載されていました!」
厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」によれば1日の塩分摂取量の基準は、男性7.5g未満、女性6.5g未満としている。6gでは1日の塩分のほとんどをこの弁当だけで摂ってしまう。
「これでは高齢者や高血圧の人は残すしかありません」(Aさん)
そもそも組織委員会のメンバーは、このお弁当を食べたことはあったのだろうか。