専門家が占う’22年。コロナ再拡大、岸田政権交代の確率は?
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■「岸田政権」崩壊で政権交代する確率は…?

 

【岸田政権:崩壊で政権交代 10%】共同通信社 編集委員兼論説委員・久江雅彦さん

 

「まず、来年の政治日程で政権に影響を及ぼす可能性があるのは、夏の参議院選挙ぐらいしかありません。もし、自民党、公明党が選挙で大敗して政権が倒れるようなことがあるとすれば、それはよほどのスキャンダルか、国内でとてつもないことが起こった場合でしょう。そう考えると、岸田政権が来年崩壊する可能性は10%程度だと思います」

 

政治情勢に詳しい、共同通信社の久江さんはそう話す。次の参院選では、現在の定数245人のうち、124人が改選され、そのほとんどが比例と複数区。1人区は32しかなく、これまで自民党が20以上の議席を確保してきた。

 

「比例は、そのときの各政党の支持率によってほぼ比例分配され、複数区は与野党で分け合います。仮に次の参院選で自公が負けても、非改選の議席があるので、まだ過半数割れや衆参のねじれ現象は起きないでしょう」

 

ただし、閣僚や自民党内に大きなスキャンダルなどがたびたび起こるようなことがあれば政権が揺らぐ可能性はある。

 

「今回の岸田内閣の閣僚たちの身体検査は不十分だったと言われています。来年の通常国会で、何らかのスキャンダルで岸田総理が答弁に追われることになれば、影響を受けるでしょう」

 

久江さんは、来年よりもむしろ再来年に“崩壊”の危険性があると読む。それは“大増税”による国民からの批判だという。

 

「永田町では、“岸田政権は財務省と一体”だと言われています。財務省は、おそらく来年の参院選まで政府による補助金や給付金などのバラまきについて黙認しますが“選挙後はそうはいきませんよ”と、内々に伝えていると思います。つまり参院選後の秋以降、増税論議一色になる可能性がある。選挙後に、財務省主導でこれまでため込んできた宿題、負の遺産の整理が行われることになるでしょう。政府がずっと手をつけなかった“大増税”というパンドラの箱を開けるわけです。よって、来年は政権が持続できても、問題は再来年。岸田政権は大きな試練を迎えることになるのではないでしょうか」

 

※記事は12月17日までの取材にもとづいています。

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