感染力の強いオミクロン株が日本でも猛威をふるい始めている。
「感染拡大を防ぐ鍵は、やはりワクチン3回目接種(ブースター接種)です。日本では2回目の接種から原則8カ月以上間隔を空けるとされてきましたが、高齢者施設などを対象に接種の前倒しが進められています。感染力がデルタ株の5倍とされるオミクロン株の流行を食い止めるには、ワクチン3回目接種をスムーズに進めることが不可欠。時間との戦いです」
そう語るのは、藤田医科大学病院の岩田充永副院長だ。
ワクチン3回目接種は、医療従事者を対象に、昨年の12月1日からスタート。藤田医科大学病院でもすでに2,000人以上が終えており、岩田副院長も接種済みだという。
3回目の接種と聞いてまず気になるのは、ワクチンの副反応についてではないだろうか。
厚生労働省の発表によれば、“おおむね2回目と同等”とされている3回目接種の副反応だが、症状別に見ると「接種部の痛み」「倦怠感」「筋肉痛」の発症率は2回目よりも上がっていることがわかる。
では、実態はどうなのだろうか。すでに3回目接種を終えた岩田副院長と、同病院の看護師さんに、どんな副反応が出たのか、それに対してどう対処したのか、話を聞いた(全員3回の接種はすべてファイザー製ワクチンを打っている)。
「2回目の副反応のときよりも、接種部分の腕の痛みが強く出たため、痛み止めとして『カロナール』を飲みました」(岩田副院長)
岩田副院長は接種から5~6時間後に症状が出て、まるで五十肩になったのではないかと思うほど、腕が上がらなかったという。
岩田副院長と同様に、接種部の腕の痛みが強く、さらには強い倦怠感が現れたという人も。
「3回目の接種から12時間後に発熱し、38.9度まで上がりました。2回目接種のときは24時間後に発熱したので、症状が現れるまでの時間が短いと感じました。さらに2回目接種のときよりも、接種部の腕の痛みと倦怠感が強かったため、『ロキソニン』を飲んで対処しました」(49歳女性・看護師)
また、コロナワクチンの副反応ではあまり聞かない症状に悩まされたという声もあった。
「1、2回目のときよりも症状が強く、接種から12時間後に38.0度の高熱と、関節痛、倦怠感が現れました。特に苦しかったのは“吐き気”と頭痛です。対処の仕方は2回目の副反応のときと同じく、解熱鎮痛剤の『カロナール』を飲みました」(40歳女性・看護師)