■みんなに優しい街・明石の「光と影の問題」
泉市長はこどもだけでなく、「みんなに優しい街・明石」を目指している。例えば’11年4月、犯罪被害者等の支援に関する条例を施行。’16年4月には障害者支援の一環で、点字メニュー作成や手すり設置などを行った飲食店への費用助成を開始。さらに’20年4月にはLGBTQ+をサポートするべく専門職員を全国で初めて採用している。
そんな泉市長に、今後の目標について尋ねると「明石が住みやすいと答えた市民は全体の91.2%。これを100にしたい」と話した。
「正直、『8.8%はまだあかんのか?』とも思いますよ(笑)。でも出生率や税収ということより、“住みやすい”というのが何よりものキーワードだと思います。子ども支援に力を入れている分、子育てしていない方々は“住みやすさ”を実感する機会が少ないのかもしれません。その不満をきちんと解決するにはどうすればいいのか。このことを考え続けます」
自信に満ちた表情で、自身の政治と明石の未来を語ってきた泉市長。いっぽう、「光と影の問題もある」と明かす。
「子供が増えたため、教室が足りなくなりました。学校を急ピッチでもう一つ作る必要があります。あとこの5、6年で保育所の数が2.5倍になり、待機児童対策1位とも評価していただいているのですが、待機児童の数もワースト1位なんですね。
家が増えた影響で、渋滞も増えています。物には限度がありますから、たくさん増えた分、都市基盤整備を含めた部分に問題が出てきました。
それから、明石市の人口や出生率が上がったのは地価や物価が安いというのもあるでしょう。今の勢いが永遠に続くわけではないとは思っています。ただ軌道に乗っている今だからこそ、他の自治体にもいい影響を与えやすいので、明石市から始まったこども支援の波をもっと繋げていきたいんです」